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<津波訴訟>遺族の控訴棄却

 東日本大震災の発生時、気象庁の大津波警報が過小だったため妻=当時(59)=が死亡したとして、夫(65)が国と岩手県陸前高田市に6000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は15日、請求を棄却した盛岡地裁判決を支持し、夫の控訴を棄却した。夫は同日、上告することを決めた。
 小野洋一裁判長は「気象庁の予報は、当時の科学的・統計的知見に基づき最大の誤差を考慮したもので、発表時点では合理的だった」と判断。停電で市が気象庁の更新情報を入手できなかったことには「非常用電源の整備は市の努力義務にとどまり、過失があったとは言えない」と述べた。
 判決によると、2011年3月11日、気象庁は地震の3分後、岩手県沿岸に3メートルの津波が到達するとの第1報を出し、25分後に全国一律で高さを2倍に引き上げた。停電のため市は予備電源を行政無線と水門の遠隔操作装置に優先的に割り振り、第2報以降の津波情報を受信できなかった。
 地裁は15年2月の判決で、現在の津波予報の技術的限界を指摘し「結果的に過小予想になったことに過失があるとは言えない」と判断した。
 夫は、妻が避難せず津波の犠牲になったのは防潮堤より低い津波予報が出ていたためだと訴えていた。上告を決めた夫は取材に、「判決には重大な事実誤認がある」と話した。


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2016年04月16日土曜日


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