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<熊本地震>震災 まさか地元で

巨大な揺れで崩れ落ちた歩道とガードレール=15日午後5時30分ごろ、熊本県益城町寺迫(報道部・河添結日撮影)

 震度7の揺れを観測した熊本地震で、被害が集中した熊本県益城町では倒壊した家屋の下敷きになるなどして8人が亡くなった。悲しみに暮れる家族。助かった住民も壊れた自宅の片付けに追われ、先の見えない避難生活に不安を募らせた。
 「仲の良い夫婦だったのに…」。益城町馬水地区の宮守カズエさん(77)は、倒壊した自宅近くで親類らと涙を流した。隣接する住宅も全壊し、住んでいた義理の娘の宮守陽子さん(55)が帰らぬ人となった。
 カズエさんは6年ほど前、陽子さんの夫だった息子を事故で亡くした。今月下旬に法要を営む予定で、陽子さんと準備していた。
 「夫婦二人とも亡くなるなんて本当に悲しい」と静かに語り、崩れた自宅からタオルなどわずかな生活用品を取り出した。
 馬水地区から町役場に向かう途中にある宮園地区では、米穀販売店を営む内尾昭三さん(60)が商品や機材が散乱する店内の片付けに汗を流していた。地震が発生した14日夜は、近くのパチンコ店駐車場に止めた自家用車内で一夜を過ごした。
 熊本市内の知人宅で避難生活を送る内尾さんは「ここまで被害が出るとは…。営業再開のめどは全く立たない」と肩を落とした。
 多くの地元消防団員が、被災者の支援活動に当たった。町中心部で交通整理を担当した自営業高森大輔さん(31)=同町木山=は「東日本大震災は人ごとのような感じだった。まさか自分の地元で起きるとは思わなかった」と疲れた表情を見せた。
 大震災発生時と同様に、益城町では各地に被災者の避難所が設けられた。
 町総合体育館に避難した同町惣領の主婦田中えつ子さん(67)は自宅が全壊し、逃げ出す際に顔や手を負傷した。
 「九州で、こんな大地震が起きるとは思わなかった。余震が収まらず不安。明日のことは分からないが、今日はここで一晩を過ごします」
 心細さが伝わってきた。
(東京支社・小沢邦嘉、報道部・河添結日)


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2016年04月16日土曜日


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