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伊達家の墓から婚礼時の「女乗物」出土

出土した木材や金属を並べると、かごの形が見える(弘前大文化財論研究室提供)
発見された乗り物の金属部分に描かれた家紋について説明する関根教授

 弘前大の関根達人教授(考古学)らは15日、水沢伊達家の菩提(ぼだい)寺の一つ、大安寺(奥州市)の墓地から、婚礼時に女性が乗る「女乗物(おんなのりもの)」と呼ばれるかごが見つかったと発表した。仙台藩の重臣、水沢伊達家の6代目村利(むらとし)(1731〜56年)と正室千重(27〜56年)が仙台で行った婚礼に使ったものとみられる。女乗物が墓から出土したのは全国で初めて。

 奥州市教委が2009年に墓地改葬で発掘調査をした際、仙台藩重臣・角田石川家(岩沼市)の家紋などが描かれた金属や漆塗りの木材を発見。当時はばらばらで何の部品か分からず、弘前大が学生の研究資料として調査していた。昨年10月、関根教授が宇和島伊達家(愛媛県宇和島市)のかごを見て乗物と分かり、復元図を作成した。
 かごは、石高1〜5万の大名や旗本の夫人が使った天鵞絨(ビロード)巻仕様の女乗物。千重が1753年に角田石川家から嫁いだ際、同家の仙台屋敷から水沢伊達家の仙台屋敷までの距離約1.5キロの花嫁行列に使ったとみられる。
 同種の女乗物は10台程度現存している。通常は受け継がれるため墓には入れないが、解体してひつぎの上に納めたとみられる。千重は1男1女を産んだものの、結婚後わずか3年で病死し、村利も1カ月後に亡くなっている。関根教授は「世継ぎを残した感謝だけでなく、早くに亡くなった2人を哀れんでかごも埋葬したのでは」と分析する。


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2016年04月17日日曜日


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