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営農データ商品化 異業種連携し新会社計画

 仙台市内の産学官組織のメンバーが、農家の営農データを販売する会社の設立を計画している。収穫時期や収量の情報を集約し、「予報」として卸売業者などに提供するビジネスモデルを描く。保険や金融といった異業種が連携に意欲を示しており、多彩なサービス提供で協力農家の発掘に努める。
 データ収集、分析するシステムの開発を担ったのは東北大やIT関連企業、製造業者などでつくる「東北スマートアグリカルチャー研究会」。東日本大震災からの農業復興に向け、2012年から農作業の省力化などを模索してきた。
 新会社は研究会メンバーが中心となり、年内にも設立する見通し。計画では5年間で全国8000の農家、生産団体の協力を取り付ける。情報の提供先は各地の市場運営会社を含めた1500カ所以上を想定する。
 作業状況や作付けの管理ソフトは先行例があるものの、入力の手間などから農家への普及が進まなかった。研究会は、システム利用料がかからない仕組みとしつつ、資材や収穫物をインターネット上で取引できる機能を付加。農家の参加意欲を高めてデータの量確保、精度向上を図る。
 農業版「ビッグデータ」の商品化とも言える試みに幅広い業種が関心を示す。
 東京海上日動火災保険は、新会社との連携を模索する企業の一つ。農家向けの商品開発を視野に、農業分野への参入をうかがう。
 豊富な営農情報は、生産者の経営状況の把握に役立つ。データは融資の可否判断などにも活用できるとして、協力姿勢を示す東北の金融機関もある。農家とのネット取引をにらみ、資材会社が入力端末の無償提供を検討しているという。
 新会社の構想を主導する仙台高専(仙台市)の女川源研究員は「システム利用を含め、農家の負担がゼロになる枠組みを目指した。市況をにらんだ栽培管理が定着すれば、より合理的な営農が可能になるだろう」と話している。


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2016年04月19日火曜日


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