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<楢葉町長選>継続による復興加速を選択

再選を決め、支持者と喜び合う松本氏(中央)=17日夜、いわき市の事務所

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が昨年9月に解除された福島県楢葉町の町長選は17日の投開票の結果、現職の松本幸英氏(55)が新人の鈴木伸一氏(65)を破り、再選された。新市街地の開発に着手するなど、目に見える形で町が変わり始める中、有権者は継続による復興の加速を選択した。松本氏は同日夜、事務所で「一人でも多く町に戻ってもらえるよう環境を整える」と誓った。
 楢葉町は全住民が避難した自治体で初めて避難指示が解除された。国は試金石として強力に町を後押しし、事故前に約50億円だった町の予算が昨年度は215億円に上った。
 国や与党には「現職が負ければ、解除を控える他町村に影響しかねない」(自民党関係者)との懸念もあり、公明党の若松謙維復興副大臣も告示の7日、マイクを握った。結果は松本氏が有効投票の60%を獲得。「解除は時期尚早だった」と主張した鈴木氏に902票差をつけた。
 双葉郡の町村では昨年以降、浪江町と大熊町、川内村で現職が大差や無投票で当選している。
 楢葉町議の一人は「避難から5年がたち、帰町するかどうかなど、今後の人生設計を決めた人が増えた。まず復興を前に進めてほしいとの気持ちが強い」と分析。「楢葉には合併前の旧村意識が残っていたが、今は町全体の将来が懸かる時期。町民の意識も変わってきている」と指摘する。
 敗れた鈴木氏は前町長らの支援を受け「対話最優先の町政」を掲げたが、将来像を提示し切れず、支持を広げられなかった。落選が決まると「私の力不足」と頭を下げ「ずいぶん票差がついた」と肩を落とした。


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2016年04月19日火曜日


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