秋田のニュース

フィルム映画の火守る 秋田で時代遅れ貫く

シネマパレの歴史が刻まれたポスターの前で笑顔を見せる川口さん

 35ミリフィルムだけを上映する映画館がJR秋田駅前にある。フォーラス8階の「週末名画座シネマパレ」だ。映写機器のデジタル化が進む中、フィルムのみの上映館は全国でも他に岐阜市にしかない。若者の映画離れなど名画座を取り巻く環境は厳しいが、支配人の川口豊さん(38)は「つぶれるまでフィルム文化を守りたい」と意気込む。
 シネマパレは1985年に封切館としてオープン。2014年に名画座となり、座席数150のスクリーンで金曜〜日曜の3日間営業している。
 14年当時、多くの映画館がデジタル機器の導入を図っていた。「でも、投資しても採算が取れない。それならば、フィルムだけで勝負する『時代遅れの映画館』を目指そう」。05年から支配人を務める川口さんは、あえて時代の流れにあらがう道を選んだ。
 予想していたとはいえ、経営は厳しい。動画や家でのDVDの鑑賞が当たり前の若い世代にとって映画館は遠い存在。シネマパレの客数は多い月で200人程度で、多くは常連客だ。フォーラスの親会社から支援を受けているとはいえ「いつ閉館してもおかしくない」(川口さん)という。
 それでも、川口さんはフィルムのみの上映を貫く覚悟だ。「フィルムにはデジタルにはない味わいや柔らかい映像の美しさがある。それらを多くの人に知ってほしい」と話す。
 シネマパレのような名画座には、映画館に失われつつある客同士の交流が残る。受付前のソファでは鑑賞後に作品の感想などで盛り上がる。常連客の一人、秋田市手形の無職鈴木清志さん(65)は「年齢に関係なく誰とでも映画の話をできるのがうれしい」と語る。
 川口さんも「映画を通して人とつながる楽しさ、豊かな心の動きを感じてほしい」と言う。
 昨年迎えた30周年を記念し、1本500円で楽しめるワンコイン名画座を24日まで開催中。上映作品は「パフューム ある人殺しの物語」と「乱れる」。連絡先はシネマパレ018(836)2990。


関連ページ: 秋田 社会

2016年04月22日金曜日


先頭に戻る