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<原発事故>知的障害者施設 福島へ帰還

完成した「光洋愛成園」。左奥が「ワークセンターさくら」

 東京電力福島第1原発事故で福島県富岡町から群馬県高崎市に避難した知的障害者支援施設「光洋愛成園」など、社会福祉法人「友愛会」の新たな施設が21日、富岡町と同じ双葉郡の広野町に完成した。利用者ら68人が27日、高崎市から引っ越す。職員と家族らを合わせ約120人が5年1カ月ぶりに福島へ帰還する。
 約2ヘクタールの敷地に光洋愛成園と通所の就労支援施設「ワークセンターさくら」を建設。広野町内の他の2カ所にグループホーム計5棟を整備した。光洋愛成園に41人が入所し、グループホームの27人が「さくら」に通う。
 富岡町の施設が居住制限区域にあるため、避難区域外の広野町での再建を決め、昨年2月着工した。事業費は二十数億。約12億円を国、県の補助金で賄った。
 21日は光洋愛成園で落成式があり、友愛会の林久美子理事長が「役職員一丸となって新たな一歩を踏み出したい」とあいさつ。広野町の遠藤智町長は「双葉の里へようこそ、お帰りなさい。古里再生へ共に歩みましょう」と歓迎した。
 光洋愛成園の利用者らは原発事故後、職員を含め81人がマイクロバスなど7台で避難。福島県三春町で1カ月を過ごし、2011年4月15日に高崎市の国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」に落ち着いた。
 林理事長は「当初は『家に帰りたい』と言っていた利用者も、のぞみの園の協力で何の心配もなく過ごせるようになった。帰還を諦めかけたこともあったが、園のおかげで再建に全力投球できた」と振り返る。
 再建に向けては、福島に帰らない職員がいるなど人員確保が課題となった。昨年7月から面接を繰り返し、何とか17人を新採用して国の基準をクリアした。
 光洋愛成園の寺島利文施設長(62)は「ようやく準備が整い、ひと安心だが、帰還はゴールではない。生じる課題を一つ一つ解決し、利用者が豊かな人生を送れるようにしたい」と話した。


2016年04月22日金曜日


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