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<政投銀>東北の復興策提言

 日本政策投資銀行は、東日本大震災から5年の節目に合わせ、東北経済復興の方策を提言するリポートをまとめた。1995年発生の阪神大震災から復興した兵庫県と比較し、加速器産業など東北に芽生えてきた産業育成に官民を挙げて取り組む必要性を訴えた。
 リポートはA4判、57ページ。3章構成で、第1章は被害や復興状況について岩手、宮城、福島3県と兵庫の統計を比較した。
 兵庫では5年目前後、各種指標が震災前の水準以下に落ち込み、復興需要の効果が薄れたことに言及。「3県でも5年目以降は楽観できず、新たなプロジェクトが必要」と明記した。
 震災後1、2年の3県の公共投資額や業況判断指数は、おおむね同時期の兵庫を上回る水準で推移。かさ上げ工事や高台移転など大型工事が続いているのが要因とみられる。
 第2章は兵庫の復興をけん引した神戸医療産業都市構想を取り上げた。研究所や企業が集積する神戸市の人工島「ポートアイランド」をモデルケースに、産業集積に向けたスピード感のある施策展開を東北の自治体などに求めた。
 第3章は東北の新産業の育成戦略を提示。超大型加速器「国際リニアコライダー」(ILC)など加速器産業に関し「経済落ち込みが本格化する前のILC立地決定が重要」と指摘し、国への働き掛けを促した。
 観光産業面では、訪日外国人旅行者の誘客を狙い、魅力的な広域観光ルートをつくるための推進体制整備を提言。東京電力福島第1原発事故に伴う廃炉産業にも触れ、東北一丸となった関連企業の集積やまちづくりへの取り組みを求めた。
 リポートは500部作成。自治体や企業などに配布し、政投銀のホームページでも公表している。


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2016年04月22日金曜日


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