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<点検 佐竹秋田県政>定住策もっと魅力を

土着ベンチャー事業に参加した柳沢さん(左)。手厚い支援もあり、9カ月で会社設立にこぎ着けた=秋田県五城目町

◎知事任期満了まで1年(上)人口減少

 秋田県の佐竹敬久知事(68)の任期満了(2017年4月19日)まで、残り1年を切った。佐竹知事は13年に無投票再選を果たして以降のこの3年間を「さまざまな施策の種まきに力を入れてきた」とした上で、本年度を「総仕上げの年」と位置付ける。県が抱える課題に、どう取り組んできたのかを見る。(秋田総局・今愛理香)

<第3子誕生を支援>
 約4万人。佐竹知事が再選して以降の3年の間に、県内で減った人の数だ。3月1日現在の県人口は101万8314人。100万人割れが目前に控える。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、40年には70万人に減る。県は昨年10月に策定した「あきた未来総合戦略」に、少子化対策と移住定住促進を柱とする人口減対策を盛り込んだ。
 少子化対策の目玉は、第3子が誕生した場合の第2子以降の保育料無料化。14年度で16%と全国39位、東北ではワーストだった第3子出生率の向上に向けて本年度、全国初の取り組みとして始めた。
 県はそもそも、子育て支援策には積極的で、佐竹知事も09年の就任時から寺田典城前知事の事業を引き継ぐ形で子どもの医療費助成、婚姻率向上を目指した「結婚支援センター」の設置などに取り組んできた。
 佐竹知事は「全国トップクラスの子育て支援策を一層拡充させる」と意気込む。

<ドチャベンで起業>
 一方、移住定住促進策の中心となるのは、昨年7月に始めた土着ベンチャー(ドチャベン)事業だ。
 県は移住先の市町村名を挙げた上で希望者を募り、事業計画を立てるワークショップの開催を業者に委託。会社設立後は、社員のスキルアップなど人材育成や広告宣伝費の一部を助成する。支援の手厚さが話題を呼び、首都圏などから20〜30代の約50人が参加。うち6人が横手市と五城目町に移り住み、企業活動を進める。
 同町に移住したイラストレーター柳沢美弥さん(30)=石川県出身=は今月、大学で建築を学んだ経験を生かし、秋田杉などを使って内装を手掛ける会社を設立した。柳沢さんは「充実した支援のおかげでスムーズに起業できた」と感謝する。

<期待に届かぬ効果>
 県は少子化対策と移住定住促進策で人口の減少幅を抑え、40年の県人口を76万人にする構想を描く。ただ、新規事業を採り入れながらの長年にわたる施策展開にもかかわらず、人口減少対策は期待するほどの効果が出ていないのも事実だ。
 14年の人口1000人当たりの出生率は5.8%。出生数から死亡数を引いた自然増減率もマイナス8.8%と、どちらも全国平均を大きく下回り、最下位に沈む。自然減は年に約9000人。就職や進学などで転出する人も多く、社会減も13年以降、年4000人台で推移する。
 人口減少問題などを研究する秋田大教育文化学部の和泉浩准教授(社会学)は「同じような施策は他にもあり、独自性に乏しい。他県との競争の中で人を呼び込むには、秋田で暮らしたいと思える魅力をもっとつくっていかなければならない」と指摘する。


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2016年04月23日土曜日


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