山形のニュース

過疎地生き残りへ「キム宅号」快走

買い物弱者の高齢者を支える「キム宅号」。到着すると住民らが集まる=22日、米沢市広幡地区

 山形県米沢市の食品スーパー、キムラが、市内で展開する移動販売事業が軌道に乗ってきた。小回りが利くトラックで過疎地域を定期巡回。買い物弱者の高齢者を支え、同時に見守りの役割も果たす。大手スーパーが攻勢を強める中、地元スーパーの生き残りを懸けた対抗策といえそうだ。

 巡回販売を始めたのは2014年3月。「キム宅号」と名付けた店舗仕様の1.5トントラックが、水田が広がる広幡地区と山あいの田沢地区を日曜を除く毎日回る。
 両地区は合わせて約600世帯。70歳以上の高齢者が多く、近隣には商店がない。40〜50世帯が常連になり、魚や肉、野菜などの生鮮食品や総菜などを主に購入している。
 2年目の年間売上高は2000万円弱と、1年目の約2.3倍に増えた。目標の2500万円に届かず採算はまだ取れないが、竹田誠計画部長は「5年ぐらいで黒字転換させたい」と話す。
 広幡地区でキム宅号をよく利用する地元の主婦小林君代さん(83)は以前、電車で往復2時間をかけて買い物をしていた。「家の前まで来てくれるから、すごく楽になった。つい余計な物まで買っちゃうんだけどね」と歓迎している。
 木村吉孝代表取締役が定期的に、店長を務める運転手と一緒に巡回するなど、住民らとの関係づくりにも力を入れる。家まで商品を届けることもある。
 竹田部長は「今は昼ごろとしている営業開始時間の前倒しや巡回先の追加など、収益アップに向けた改善策を検討中。地元スーパーならではのきめ細かなサービスとして末永く取り組んでいきたい」と話す。
 キムラは1946年創業。山形県内に8店舗を構える。


関連ページ: 山形 社会

2016年04月23日土曜日


先頭に戻る