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<大槌新聞>震災後創刊 1人で発行継続へ

大槌町長の定例記者会見で質問する菊池さん

 東日本大震災後に岩手県大槌町で創刊し、町が本年度から助成を打ち切った週刊紙「大槌新聞」が今後も発行を継続する。取材や執筆を1人で担ってきた同町の菊池由貴子さん(41)が、一般社団法人大槌新聞社を設立した。当面は広告料や県内外の読者約100人の寄付を頼りに、町内全5300戸への無料配達を維持する。
 大槌新聞は2012年6月に発刊。タブロイド判4ページを基本に、毎週水曜日に発行している。菊池さんが復興事業の状況やイベント、町議会を取材して記事にする。高齢者でも読みやすいよう一般の新聞より大きい文字を使い、「ですます調」の文章が特徴だ。
 菊池さんが経験のない新聞製作を始めたのは、震災直後の情報不足がきっかけだった。避難所を回って新聞を読み、電気が止まった非常時の紙媒体の強さを思い知った。地元発の情報がなく、町外の記者の記事に頼る状況に情けない思いが募った。
 「町民の手で町民が必要とする情報を載せた新聞を作ろう」。復興まちづくりに取り組む一般社団法人の所属時に大槌新聞を発刊し、孤軍奮闘を続けてきた。
 題字の下に欠かさず掲載するのが「大槌は絶対にいい町になります」というメッセージ。菊池さんは「新聞を手にした人に希望を持ってほしい。町の将来のためにみんなで頑張ろうと呼び掛けるのも、地域紙の役割だ」と語る。
 町は昨年度まで国の緊急雇用創出事業の助成金を活用し、町内のNPO法人に情報発信事業を委託。新聞発行はその一環だったが、復興事業の見直しで、町広報誌の配布再開などを理由に事業廃止を決めた。
 菊池さんは「新聞に励まされる人のため、町民同士をつなぐ役割を果たすため、発行をやめることは全く考えなかった。財政的には厳しいものの可能な限り続けたい」と意気込む。
 町外から寄付を募っており、1万円以上の寄付者には新聞を1年間郵送する。連絡先は大槌新聞社090(7568)7475。


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2016年04月25日月曜日


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