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<トップに聞く>復興需要減 倒産増へ

河原光雄(かわはら・みつお)近畿大卒。76年入社。取締役中・四国地区本部長、常務、専務を経て15年7月から現職。62歳。奈良県出身。

 東京商工リサーチの河原光雄社長は仙台市内で河北新報の取材に答え、小康状態が続く東北地方の倒産について「東日本大震災の復興需要に支えられてきた流れが変わりつつある」と述べ、増加に転じる可能性を指摘した。年明けから円高・株安の傾向が続いており、東北の景況感は厳しさを増すとの見方を示した。(聞き手は報道部・田柳暁)

◎東京商工リサーチ 河原光雄社長/経営者 知恵と工夫が必要

 −2015年度の東北の倒産は前年度比36件減の315件だった。
 「倒産集計を始めた1967年度以降、最も少なかった。震災関連の補助金や助成金、東京電力福島第1原発事故の賠償金が資金繰りに貢献した上、金融機関などの支援が手厚いことが主な要因だ。倒産の件数や負債総額を抑えている」

 −1月以降は倒産がわずかに増えている。
 「業種別でみると、建設業が多い。復興需要で業績は伸びていたが、震災から5年が経過し傾向が変わってきた。大きな業者は長期の仕事を抱え一気に衰えることはないが、中小に仕事が回りにくくなる恐れがある。今後、倒産は増えるだろう」
 「福島は前年度比で倒産が2割増えた。もともと総数が少なく数件の増で割合が大きく伸びる事情はある。ただ再スタートを切ったが軌道に乗せられないという企業もあり、今後の動きに注意が必要だ」

 −復興需要以外にも景気の先行きを不安視する見方がある。
 「円高が進んでいる。日本全体に言えることだが、大企業製造業の16年度の想定為替レートとの開きから輸出関連の企業は減収となる可能性がある。自動車部品製造など戦々恐々としている企業は多いのではないか。昨年まで良かった株価も下がっている」

 −経営者には今後、どういう視点が必要か。
 「政府は経済対策というカンフル剤で景気悪化を食い止めようとするだろうが、それに頼るだけでは駄目だ。生き残るには時代に合った知恵と工夫が求められる」


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2016年04月26日火曜日


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