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<双葉病院訴訟>東電に3100万円賠償命令

 福島県大熊町の双葉病院に入院し、福島第1原発事故後に避難先で死亡した患者2人の遺族が東京電力に計約6600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(中吉徹郎裁判長)は27日、「長時間の搬送など過酷な環境にさらされた」として原発事故が死亡につながったと認め、東電に計約3100万円の支払いを命じた。
 双葉病院から避難した患者の死亡をめぐる判決は初めて。原告側の弁護士は認容額について「交通死亡事故と同程度で残念だ」と話した。
 判決によると、2人は安倍正さん=当時(98)と辺見芳男さん=当時(73)=。2011年3月14〜16日、病院から自衛隊員によってそれぞれ運び出され、16日にいわき市内の高校体育館と二本松市内の病院で死亡した。搬送距離は安倍さんが230キロ、辺見さんは80キロに及んだ。
 判決は、2人が停電した病院で低体温症や脱水症状を引き起こし、搬送中に持病が悪化するなどして亡くなったと判断。持病の影響も踏まえ、賠償額を安倍さんが1340万円、辺見さんは1760万円と算定した。
 判決後に記者会見した原告側の新開文雄弁護士は「原発事故で死亡した苦痛は交通事故の場合より大きいと主張したが、認められず残念だ」と語った。一方、判決内容を伝えた安倍さんの長男の妻は「義父が亡くなった経緯を知りたくて裁判を起こしたので金額は気にしていない」と話したという。
 東電は「判決内容を確認し、真摯(しんし)に対応する」とコメントした。
 東京地裁では、双葉病院と系列の老人保健施設で死亡した別の患者5人の遺族も東電と係争中。千葉地裁にも女性患者の遺族が提訴し、東電が約1350万円を支払うことで14年9月に和解が成立している。
 東電の勝俣恒久元会長(76)ら旧経営陣3人は、双葉病院の入院患者44人を長時間の移動を伴う避難で死亡させたなどとして、業務上過失致死傷罪で強制起訴された。


2016年04月28日木曜日


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