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<なでしこ高倉監督>日本人のサッカー追求

なでしこジャパンの監督に就任する高倉氏=2016年4月27日

 サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」の新監督に27日、福島市出身の高倉麻子氏が就任した。高倉氏は現役時代、1996年アトランタ五輪に出場するなど国際Aマッチ79試合に出場し、30得点をマークした。年代別の女子代表監督を歴任し、14年のU―17(17歳以下)女子ワールドカップ(W杯)で日本を初優勝に導いてもいる。高倉氏は東京都内で就任会見に臨み次のように語った。

 ―目指すのは。
 「日本人にしかできないサッカーを追求したい。日本人は器用で勤勉で頭がいい。何より人のため、組織のために力が発揮できる。技術を生かしたアグレッシブなサッカーだ」

 ―チームのコンセプトは。
 「攻守にアグレッシブなサッカーは継続する。さらに磨きをかけるため、選手一人一人が状況判断に優れたサッカーをしたい。何が必要で、何を選ぶべきで、(試合の経過時間が)何分でなど、全てを頭に入れて、11人が連動するサッカーを目指す」

 ―選手としては草分け的な存在で、フル代表の女性監督は初めてだ。
 「最初を歩くのは快感。ただ、プレッシャーはない。女性であることに引っ掛かるものもない。指導者として、いかに選手を引っ張り上げられるかだけだ」

 ―要請を受けた時の感想は。
 「大変光栄。簡単な仕事ではない。(女子サッカーの)最初の時代に選手として必死に戦い、今の選手が大きな花を咲かせてくれた。バトンが戻ったら受けようとは考えていた」

 ―リオデジャネイロ五輪出場を逃したチームには何が足りなかったか。
 「映像で見た感想だが、オーストラリア戦は流れがうまく来なくて負けてしまった。短期決戦で修正して次の試合に臨むことができなかった。ボタンの掛け違いというか、そこでつまずいたのが大きかった。繊細なサッカーをするので、ボタンを掛け違えた時、チームを修正するのは難しい。敗退は残念だが、佐々木監督(尾花沢市出身)をはじめ、選手が積み上げた栄光が消えるものではない」

 ―選手の選考は。
 「若返りと言われるが、日本代表はその時に一番いいパフォーマンスをしているのが大事。ベテランの経験値から来るプレー、若手の伸びしろ。うまく融合できればいい。年齢で区切ることはない」

 ―新チームは6月に敵地で米国と親善試合を行う。
 「世界ランキング1位の米国はこれ以上ない対戦相手。今持っている私の力、スタッフ、選手の力を100%発揮できるよう、まずぶつかってみて、何が足りないのか、何が日本の力なのかを確かめたい」

 ―なでしこは相手から研究し尽くされたという指摘がある。どう覆すか。
 「日本だけでなく互いに手の内を知りながら戦うことが多い。多くのチームが(守備で)ゴール前を固め、大きく蹴り込んでフィジカルの強さでゴールを狙う。日本のスタイルは崩すことなく、アタッキングサード(敵陣の深い部分)と両方のペナルティーエリア内でのプレーの質を上げられるかだと思う。攻撃ではいかに崩し、シュートの意識を持てるか、守備ではクロスへの対応や個の力を高めることだ」

 ―2020年の東京五輪を含めた目標は。
 「目指すのはどの大会でも優勝。東京ではメダルを取るのが大きな目的だ」
 ―古里は震災と原発事故からの復興途上にある。
 「福島は私がサッカーを始め、楽しんだ土地。震災後、たくさんの方々が苦しんでいる。最後まで諦めない姿を見せ、皆さんに勇気を届けたい」

●高倉 麻子(たかくら・あさこ)現役時代は強豪の読売(現日テレ)などで主にMFとして活躍。女子日本代表には16歳で初出場し、96年アトランタ五輪など国際Aマッチ79試合出場、30得点をマークした。04年限りで引退した後は年代別の女子日本代表監督を歴任し、14年のU−17(17歳以下)女子W杯で日本を初優勝に導いた。48歳。福島市出身。


2016年04月28日木曜日


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