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<平瀬智行の戦蹴眼>開始から主導権握れ

平瀬智行氏

 リーグ開幕戦の横浜M、第3節の鹿島と強敵を倒したが、勢いに乗れなかった。勝ったこの2戦の攻守の連動性は良かったが、最近は立ち上がりが悪い。先制点を許してからようやく目が覚める。最初から主導権を握らないと駄目だ。
 守備のブロックはつくれているが、相手の中盤に圧力が掛かっていない。(今月10日の第6節に)G大阪のFW宇佐美に得点された場面のように、相手に優れたドリブラーがいると、ずるずると守備が下がってしまう。「ブロックをつくれば終わり」という意識があるのか、攻撃のための守備になっていない。
 自陣の深い位置でボールを奪っても、前方に味方が少ないため、攻撃に連動性が生まれない。もっと前線で奪うことが必要。試合開始後の15分はより積極的に動いてほしい。
 仙台で2季目を迎えたDF渡部には、守備のリーダーとしての役割を期待する。守備陣が守りやすいように前線の選手にも具体的に指示を出してほしい。(元日本代表DFの)秋田豊さんが好例だ。秋田さんは、相手のGKが蹴る瞬間などでもDFラインの上げ下げを事細かに指示していた。渡部ならできるはず。
 攻撃面では、FWウイルソンが左サイドでプレーしがちなのが気になる。一緒に2トップを組む奥埜が、ウイルソンとの距離を縮めようとサイドに流れてしまう。結果、中央にFWがいない状態となる。これでは多く得点機をつくれない。
 奥埜は最近、相手を背にボールを受けてしまう。前を向いた時の動きが素晴らしいので、もう少し前を向ける体勢でボールをもらうといい。その動きがうまいMF野沢の動きをもっと盗んでほしい。常に全力でプレーするのではなく、いい意味で相手をおちょくるようなプレーも見たい。
 今季も主力の負傷離脱が相次いでいる。(普段練習で使う仙台市泉サッカー場の)芝の問題が大きい。でこぼこの芝はけがに直結する。小学生チームも使う場所で、プロが練習している。私の現役時代から気になっていた。「練習場は市の所有物」と言われればそれまでだが、グラウンドの整備を考える必要がある。
 毎年夏になると調子を落とすので、第1ステージだけで勝ち点20以上は取りたい。チームの雰囲気は悪くないが、「まだ序盤だから大丈夫」という安心感があると危険だ。次の鳥栖戦(30日ホーム)は絶対に勝たないといけない。
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 元日本代表FWで、現在ベガルタ仙台アンバサダーを務める平瀬智行氏に隔月で、J1仙台の戦いぶりを分析してもらいます。

[ひらせ・ともゆき] シドニー五輪などで日本代表を務めた。96年、鹿児島実高からJ1鹿島に入団し、中心選手として活躍。2008年に仙台入り。堅実なポストプレーで、09年のJ1昇格決定に貢献した。10年に現役引退。仙台市泉区で妻、1男1女と暮らす。東京都出身。38歳。


2016年04月29日金曜日


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