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<湯沢住宅全焼>発生1年 原因特定できず

一家7人が焼死した火災現場。更地になり、惨事の形跡はなくなっている

 昨年5月1日夜、秋田県湯沢市相川の無職伊藤由蔵さん=当時(78)=方が全焼し、女児3人を含む一家7人が焼死した火災は、5月1日で発生から1年を迎える。出火場所や原因は今も特定されていない。当初は燃え方が激しかった1階居間の固定式灯油ストーブから出火したとみられていたが、目撃者の証言などから、浴室付近にあった給湯ボイラー機器周辺から出火した可能性も浮上している。
 近隣住民の目撃証言などによると、火災の通報があった直前の1日午後9時前ごろ、1階西側の浴室付近の室内から強いオレンジ色の光が漏れていた。目撃した住民は「思い返してみると、燃え始めの炎だったのかもしれない」と話す。
 秋田県警と地元消防が給湯ボイラー機器を分解して調べたところ、出火につながるような不具合は見つからなかった。だが、消防関係者は「電気系統の故障や外部から衝撃を受けたことが出火につながった可能性は残る」と語る。
 1階居間にあった固定式灯油ストーブも分解して調べた結果、内部に異常はなかった。ストーブが激しく燃えたことについて、捜査関係者は「ストーブに火が付いてからも居間から離れているタンクから配管を通して灯油が供給され続けた結果、火元ではないのに長時間燃え続けた可能性がある」と推測する。
 今回の火災は、一家7人の多くが就寝中だったために逃げ遅れたとみられる。
 夜間や早朝などの時間帯にいち早く火災に気付くには、寝室などに火災警報器を設置するしかない。伊藤さん方の焼け跡から警報器は見つかっておらず、近所で警報音を聞いた人もいなかった。
 地元の消防関係者は「警報器を箱に入れたままで設置していないのに、消防団などの聞き取りには『持っている』と回答する高齢者世帯は意外と多い。取り付けや設置後の作動確認までサポートすることが求められている」と指摘する。

[湯沢7人焼死火災]2015年5月1日午後9時5分ごろ119番があり、湯沢市相川の木造一部2階の住宅約185平方メートルが全焼した。焼け跡から無職伊藤由蔵さん(78)と妻トミさん(80)、長男の会社員光弘さん(41)とその妻のパート従業員杏奈さん(27)、光弘さんの長女愛莉ちゃん(6)=須川小1年=、次女結奈ちゃん(5)=おがち保育園児=、三女楓華ちゃん(3)=同=の一家7人が遺体で見つかった。(年齢、学年は当時)


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2016年04月30日土曜日


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