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<共通投票所>政令市 笛吹けども踊らず

 4月に成立した改正公選法で、自治体による共通投票所の設置や期日前投票の時間延長が可能になった。有権者が投票しやすい環境を整えて投票率アップを図るのが狙いだが、政令市は財政負担などを理由に新制度の活用には消極的。国の意向とは裏腹に「笛吹けども踊らず」の様相だ。
 「費用対効果の面で足踏みする状況にある」。仙台市の奥山恵美子市長は4月12日の定例記者会見で、当面は共通投票所を設置する考えがないことを表明し「政令市のどこかが先駆的に取り組んでくれるといいのだが」と続けた。
 その役目を担う政令市は今のところない。公選法改正に関する全20政令市選管の見解は表の通り。財政負担を理由に、共通投票所の設置に難色を示す市が多い。
 広島市の試算では、投票所1カ所に専用回線を敷設するのに約300万円かかるため、共通投票所と市内275カ所の通常の投票所を結ぶと単純計算で8億円以上になるという。
 他市からも「回線の維持に数千万円かかる」(北九州市)「敷設の事前調査だけで1000万円」(新潟市)などの声が出ている。
 高市早苗総務相は4月8日の記者会見で、共通投票所の設置に関する財政支援について「国政選挙のみで使う時は全額、地方選挙でも使う時は半額を措置する」と説明した。だが、各市は「国政選挙だけの設置はあり得ない」と口をそろえ、導入時の自治体負担は避けられないとの見方だ。
 横浜市は、共通投票所の必要性そのものを疑問視する。「投票日は一般的に日曜で、家に居る人が多い。自宅近くの投票所でなく駅などで投票したいという需要は多くないのではないか」とみる。
 期日前投票の投票時間は原則、午前8時半〜午後8時。法改正で前後にそれぞれ最大2時間延ばせるようになった。千葉市は午後9時まで営業する商業施設2カ所に期日前投票所を置いているが、「立会人の確保が難しくなる」などの理由で延長しないという。


2016年05月02日月曜日


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