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<共通投票所>全20政令市 参院選で開設見送り

 6月施行の改正公選法で設置できるようになった「共通投票所」を巡り、仙台市など全国の全20政令市が夏の参院選で開設を見送る方針であることが1日、河北新報社の調査で分かった。二重投票を防ぐシステムの構築に多額の経費がかかる上、運用面の課題も予想され、自治体が敬遠している実情が明らかになった。
 20政令市の選管事務局の担当者に4月中、下旬に聞き取りした結果、全てが参院選で設置する考えはないと回答。その後の国政、地方選挙でも大半の市が導入に慎重な姿勢を示した。
 共通投票所を設置する場合、学校などに置かれる通常の投票所との二重投票を防ぐため投票所間を専用回線で結び、有権者が投票済みかどうかの情報を共有する必要がある。「システムを一から作るため費用が大きくなる」(仙台市)のが導入の妨げになっている。
 札幌市はマイナンバー制度での個人番号カードの交付作業や航空会社の搭乗手続きなど、オンライン環境を巡るトラブルの多発を指摘。同市の担当者は「投票事務で何かあれば選挙無効に直結する。一発勝負では踏み切れない」と話す。
 共通投票所の設置場所も課題に挙がった。国は大規模商業施設や駅構内を想定しているが、衆院解散といった急な選挙になると、自治体が設置を予定していた施設が他の催事との兼ね合いなどで使えない可能性がある。さいたま市の担当者は「便利な立地で相応の広さのスペースを、いつでも借りられるわけではない」と言う。
 自治体の消極姿勢は総務省も把握しており、共通投票所の設置に対する国の財政支援の詳細を早期に示す方針だ。同省選挙課は「投票環境が向上するメリットを各自治体に伝え、活用を促したい」と説明する。

[共通投票所]国政、地方選挙での投票率向上を目的に、投票日に通常の投票所とは別に駅や商業施設など利便性の高い場所に置く。同じ市区町村の有権者は誰でも投票できる。設置数に上限はない。


2016年05月02日月曜日


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