福島のニュース

<福島廃炉への道>トリチウム処理で試算

◎4月1日〜30日

【4月】
6日  2013年に水漏れが起き、現在は使われていない地下貯水槽の南西側井戸から1リットル当たり8100ベクレルの全ベータを検出。3月30日の検査では87ベクレルだった。
8日  汚染水を一時的に保管する高温焼却炉建屋地下の水位が制限値を超えて上昇。汚染水の移送を担当するグループが、試運転した浄化装置が稼働したと誤って認識し、建屋側に水を流し続けた。
12日  3号機オペレーションフロア上で、作業員の被ばくを減らす遮蔽(しゃへい)体の設置工事を開始。
 セシウム吸着装置がある焼却工作建屋の床に10メートル四方の水たまりを発見。1リットル当たり800ベクレルの全ベータを検出。雨水が浸入したとみられる。
19日  汚染水の浄化後も残る放射性物質「トリチウム」について、経済産業省の作業部会が処分方法ごとのコストや期間を試算し公表した。
21日  G6タンクエリアの汚染水移送配管から水漏れ。2.7リットルが地面に流れ、1リットル当たり26万ベクレルの全ベータを検出した。
25日  5号機の原子炉建屋にある残留熱除去系のポンプ室で発煙があった。絶縁性能を持たない静電マットを用い、絶縁診断を行ったため、地面に漏電する「地絡(ちらく)」が発生した。

◎海洋放出7.3年、34億円と最短・最安

Q 浄化装置でも取り除けない汚染水のトリチウムを巡り、経済産業省の作業部会が処分方法ごとに費用や期間を試算した。
A (1)地下深くに注入(2)海洋放出(3)蒸発(4)水素に変化させて大気放出(5)固めるなどして地下に埋設―の五つの方法を検討した。トリチウム水の総量を80万トン、1日の処分量を400トンと仮定し概算した。
Q 最も安く、短期間で処理できるのは。
A 濃度を最も高く見積もったケース(1リットル当たり420万ベクレル)で、海洋放出は7.3年、34億円と最短・最安との試算が出た。地層注入は13年以上で4000億円、蒸発は9.5年で349億円、水素放出は8.4年で1000億円、埋設は76年の監視が必要で2533億円だった。
Q 海洋放出は国際的に認められているのか。
A トリチウムはエネルギーが弱く、人体にも魚介類にもほぼとどまらずに排出される。原発の排水基準は1リットル当たり6万ベクレル。福島第1では事故前、年間2兆ベクレル(2009年度)を放出していた。
Q 風評被害を心配する福島の漁業者らは海洋放出に反対している。
A 試算は議論のたたき台で、処理方法が最終決定するまでのスケジュールは未定だ。福島県や県漁協の幹部は、社会的影響なども考慮した慎重な議論を求めている。


2016年05月03日火曜日


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