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<VMAT>災害時ペット救護 育成進む

 東日本大震災を教訓に、全国の獣医師らで2014年7月に結成した災害動物医療研究会(東京)が、災害派遣医療チーム(DMAT)のペット版「災害派遣獣医療チーム(VMAT)」の育成に取り組んでいる。これまでに全国で約70人が資格を取得した。研究会は「法律や自治体の防災計画に動物救護を明確に位置付けるべきだ」と訴える。
 昨年12月と今年3月にそれぞれ、群馬県高崎市と大阪市であったVMATの認定講習会には獣医師や動物看護師、動物愛護推進員、動物行政に関わる自治体職員らが参加した。災害獣医学や公衆衛生学、ペット専用避難所の運営を学んだ。
 災害発生時には、事前の協定に基づいて都道府県や政令指定都市の獣医師会が、被災自治体にVMATを派遣する。
 研究会は本年度、九州や北海道、東京で講習会を開催し、緊急時に中心となって活動する人材を育成する。認定者には今後、各地で育成業務に携わってもらう。各地の獣医師会と自治体には協定締結を促す。
 環境省は13年6月、「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」で飼い主とペットの同行避難、飼い主や自治体、獣医師会の役割を示したが、具体的な対応は遅れている。
 また、都市部で東日本大震災と同規模の災害が発生した場合、数万匹単位でペットが被災するとみられ、公衆衛生の観点から野生化させない対策も課題になっていた。
 研究会の代表幹事で日本獣医生命科学大の羽山伸一教授(災害動物学)は「震災ではペットを気遣って津波から逃げ遅れた人がいた。福島第1原発事故があった福島県では家畜を動かせず、飼い主が被ばくした例もある」と指摘。「家族同然の動物を救出することが、結果的に人命を救うことになる」と強調する。


2016年05月03日火曜日


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