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<みちのく真田丸>強く生きた お田の方

お田の方が眠る妙慶寺を案内する佐々木さん

◎東北ゆかりの地を訪ねて(3)藩主に見初められて(由利本荘市)

<32歳の短い生涯>
 復元された高さ22メートルの亀田城や勇壮な大手門が、訪れた者を戦国時代にいざなってくれる。1986年にオープンした秋田県由利本荘市岩城亀田の史跡保存伝承の里「天鷺(あまさぎ)村」。真田信繁(幸村)の五女、お田(でん)の方(かた)が嫁いだ亀田藩の町並みを再現した観光文化施設だ。
 併設されている歴史館には、お田の方の実物大の人形がある。りりしく、男らしい印象だ。天鷺村サポートマネジャーの佐々木裕三さん(68)は「幸村の顔を基に再現したので、美人ではないかも」と苦笑しながら教えてくれた。
 お田の方は幸村が討ち死にした後、徳川側に一時連行されたが、幸村の兄信之らの計らいで大奥に仕えた。転機は京都で秋田藩主佐竹義宣と弟宣家(後の亀田藩主岩城宣隆)の世話をしていたころ。礼儀作法や武術の腕を見初められ、宣家の側室を経て正室になった。その後、亀田藩3代藩主となる重隆を出産。「読み書きや武道を教える良き母」(佐々木さん)だったが、32歳の若さで生涯を終えた。

<誘客態勢を整備>
 市の第三セクター「岩城」が運営する天鷺村の入場者は年間300人程度で推移していたが、NHK大河ドラマ「真田丸」の放映決定後の2015年には約1300人に増えた。佐々木さんは「誘客態勢を整えた成果だ」と喜ぶ。
 取り組みの一つが、ボランティアが案内して城下町や史跡を巡る「亀田ぶらぶらウォーク」。佐々木さんが11年に始め、昨年6月には「案内人の会」を結成し、11人の仲間と共にガイドを務める。
 亀田ぶらぶらウォークで巡る史跡に、お田の方が真田家の再興を願って創建したとされる妙慶寺がある。お田の方と母の隆清院、弟幸信などの墓が建立されている。境内には宝物殿もあり、お田の方が使っていたとされる六文銭の入った甲冑(かっちゅう)やなぎなたなどが展示されている。稽古に励む姿を想像すると、天鷺村で見た人形の印象と重なってくる。
 佐々木さんは「困難を乗り越えて生きたお田の方は地元でも誇り高い存在。その生涯を多くの人に知ってほしい」と語る。(秋田総局・藤井かをり)

[メモ]天鷺村はJR羽越線羽後亀田駅から羽後交通バスで亀田大町駅下車、徒歩10分。営業時間は午前9時〜午後5時。入村料は大人410円、中学生以下無料。連絡先は0184(74)2525。ガイドツアーを希望する場合は3日前までに要予約。


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2016年05月04日水曜日


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