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<社会福祉法人>地域貢献活動 対応に苦慮

泉白陵会が開催した高齢者向け無料相談会=4月11日、仙台市泉区

 社会福祉法人に地域貢献活動を義務付ける改正社会福祉法が4月に一部施行され、東北の各法人が対応に頭を悩ませている。改正法が促す「地域貢献」の範囲や内容は不明確で、多くの法人は様子見が続く。国は近く活動指針を示す予定だが、法人側には「自ら地域のニーズをつかむ努力をすべきだ」との声もある。

<交流の活性化に>
 仙台市泉区で福祉施設を運営する泉白陵会は4月、地域の公園で無料の出張相談会を始めた。近隣に商店がない「買い物難民」解消に向けて市内の百貨店が定期開催する移動販売所と連携し、高齢者らの健康相談に応じる。地域内で月2回開く予定だ。
 鈴木英雄理事長は「中立の立場で福祉の窓口などの情報を提供する。買い物ついでに立ち寄れる場所をつくり、地域交流の活性化につなげたい」と意気込む。
 改正社会福祉法は社会福祉法人に対し、養護老人ホームや保育所の運営などの本業に加え、現行の社会福祉制度から抜け落ちた課題に対応する無料か低額のサービスを地域貢献活動として提供する責務を課した。
 厚生労働省の検討会は2014年にまとめた報告書で、地域貢献活動として貧困世帯の子どもへの教育支援や引きこもりの人の居場所づくりを例示したが、改正法は地域貢献と認める範囲を明示していない。
 石巻市で保育所を運営する輝宝福祉会は地域行事への参加を重視してきたが、地域貢献に当てはまるかは現段階で不明だ。小野崎大通理事は「法改正への対応に足踏みしているのが実態だ。別なことをやれと言われても難しい」と明かす。

<「自腹」に恨み節>
 本業以外の地域貢献活動が法人の「自腹」となることも二の足を踏ませている。補助金や税優遇を受ける法人の内部留保を地域に還元させる狙いがあるが、「余剰金をため込む一部の法人が念頭に置かれている」(宮城県内の法人)との恨み節も聞かれる。
 全国社会福祉法人経営者協議会(経営協)は、複数の法人が連携した地域貢献活動を推奨している。
 東北では岩手県経営協が15年度、生活困窮世帯に5万円を上限に支給する「安心サポート事業」を開始。25法人が参加し財源の安定的な確保や業態横断型の幅広い支援が可能になるなどの利点が表れた。
 地域貢献活動の実施状況は自治体などが事業報告書や監査で確認することになる。宮城県経営協の庄子清典会長は「地域貢献の内容が定義され過ぎると地域特性に応じた活動が難しくなる。法人は制度にとらわれずに活動し、取り組みを積極的に発信すべきだ」と自主性の大切さを指摘する。


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2016年05月05日木曜日


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