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苗作り スギ樹皮の床土で効率アップ

樹皮を使った床土に種をまいた後、育苗箱を重ねる菅原さん(左)。従来より箱が軽く作業が楽だという

 スギの樹皮を使った床土による水稲の苗作りが、今年から宮城県内の農家で試験的に始められている。育苗箱が軽くなり、作業時の負担軽減になるのが利点。従来より収量が40%増えたとの試験データもあり、今後、県内農家に広がる可能性もある。
 試験に参加するのは、登米、栗原両市や涌谷町などの7農家。迫桜高(栗原市)で農業経済などを教える講師で、登米市中田町の自宅でコメやキュウリを作る菅原大樹さん(29)もその1人で、4月中旬に新たな床土に種まきをした。驚いたのは軽さで、1箱約2.5キロ。「赤土のみと比べ1キロ以上も軽い」と話す。
 新たな床土は、発酵させたスギ樹皮を粉砕したパウダーを混ぜる。菅原さんは数年前からキュウリ栽培の土壌改良にも使っている。生育状態が良好で、今年は水稲の床土に試した。5月中旬には約10アールの水田に新しい床土で育てた苗を植える予定だ。
 パウダーを製造販売するのは大東環境(大和町)。黒川森林組合(同町)から購入したスギ樹皮を加工し、商品化した。同社によると、小牛田農林高(美里町)で昨年ひとめぼれの育苗に使ったところ、一般の床土の苗よりも穂当たりのもみ数が多くなり1.46倍の収量があったという。
 パウダーは15リットルで1000円程度。「今秋の収量によっては新しい床土の活用を増やしたい」と菅原さん。「数年はパウダーと赤土の配合割合などを探ることになる」と話すが、ほかの農家にも広がる可能性が出てきそうだ。
 スギ樹皮の活用は二酸化炭素(CO2)排出の抑制につながるという側面も持つ。同社は「スギ材生産とともに出る大量の樹皮が産業廃棄物として焼却処分されている。樹皮の利用でCO2の排出抑制にも貢献できる」と話す。


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2016年05月05日木曜日


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