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<東北道>120キロゾーン「当然」「怖い」

最高速度が120キロに引き上げられる見通しの東北道花巻南−盛岡南IC間。ほぼ直線が続く

 岩手県の東北自動車道に最高速度120キロゾーンが設けられる見通しになった。花巻南−盛岡南IC(インターチェンジ)の30.6キロが対象区間。警察庁は来年以降、現行最高速度100キロの引き上げに向けて試行を始める。「実際の速度状況に合う」と歓迎する利用者がいる一方で、「スピードを出し過ぎるドライバーが増える」と不安の声も出ている。
(盛岡総局・松本果奈)

<「走りやすい」>
 花巻南−盛岡南IC間の紫波サービスエリア。上下線ともに、多くの一般の乗用車や営業車、トラックが休憩で利用する。
 仕事で青森市から新庄市へ行くという会社員成沢英樹さん(47)は「この区間は直線で走りやすい。今も100キロ以上で走る車ばかりなので問題ない」と速度引き上げに賛成する。
 平日午後に下り線を走行してみた。交通量はさほど多くなく、ほぼ直線で見通しが良い。速度100キロを守っていると、後続車に次々と追い抜かれた。中には130キロ以上とみられる速度で走り去る車もあった。
 実勢速度は確実に100キロを超えている。同区間を120キロで走ると約15分。100キロの場合と比べ約3分短縮される。
 警察庁は3月、有識者による実勢速度や事故状況の分析を踏まえ、最高速度引き上げ容認を決めた。カーブや勾配が緩やかで事故が少ないのが条件だ。
 岩手県警高速隊によると、東北道の同区間では2012〜14年に638件の事故があったが、死亡事故はゼロだった。県内の高速道路全体(298.6キロ)では同期間で4113件の事故が起き、うち13件で15人の死者が出ている。

<表示板を検討>
 警察庁が15年秋に実施した最高速度に関するインターネット調査では、9割弱が引き上げに賛同した。ただ、運転免許取得1年以内のドライバーに限ると、約5割が「速度上昇に不安を感じる」と回答。車両間の速度差が広がることにも、約6割が懸念を示した。
 年に数回だけ東北道を利用するという滝沢市のアルバイト女性(21)は免許取得3年目。「速度を出し過ぎたり、無理な追い越しをしたりする車が多い。120キロ以上で走る車が増えると怖い」と不安視する。
 トラックなど大型貨物車の最高速度は現行80キロのままとなる。北上市を拠点にする大型トレーラー運転手松田真さん(50)は「乗用車との速度差が広がると、猛スピードで追い越されることになる。神経が疲れそうだ」と指摘する。
 警察庁は速度違反者の取り締まりの徹底、120キロ区間の始点と終点を明確に知らせる表示板設置などを課題に挙げる。
 岩手県警の内藤光樹交通部長は「事故防止の観点から速度違反の取り締まりに万全の対策を講じる。ICなどの加速、減速車線の長さが十分かどうかも検討課題になる」と話す。


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2016年05月07日土曜日


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