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<常磐道事故>地元「早期の4車線化を」

 福島県大熊町の常磐自動車道で4日夜、乗用車と高速バスが正面衝突し2人が死亡、40人が負傷した事故は、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域で起きた。放射線量の高い場所を大型車などが片側1車線の対面で行き交う現場周辺は、安全性の確保が課題に挙げられていた。
 双葉地方広域市町村圏組合消防本部は4日、現場で乗客らのけがの程度を確認し、まず6人を救急車で搬送。37人をマイクロバスなどで避難区域外の楢葉町にある消防分署に移動させた後、医療機関に運んだ。
 消防本部は「負傷者が多く、搬送先の手配もしにくかった。放射線量を考慮し、長い滞在は適切でないと判断した」と説明。乗客らが現場にとどまったのは約1時間半という。
 双葉郡では3カ所の2次救急医療機関が原発事故で休止し、搬送先の確保や時間の短縮も課題とされる。消防本部の渡辺敏行総務課長は「事故を検証し、重傷者が多い場合はどうするのかなど、最善の方法を検討していく」と話す。
 事故が起きた常磐富岡−浪江インターチェンジ(IC)の14.3キロは昨年3月に開通し、うち8キロが帰還困難区域に含まれる。常磐道全線開通後、帰還困難区域での死亡事故は初めて。
 2018、19年度には両IC間に2カ所のICができる予定。常磐道は中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)への除染廃棄物の輸送路となっており、施設への搬入が本格化すれば帰還困難区域を大型ダンプカーがひっきりなしに通過する。
 伊沢史朗双葉町長は「対面通行の危険性は当初から指摘されていた。4車線化の実現へ、国に早急な対応を求める」と強調する。
 南相馬市から東京に単身赴任中で、6日に高速バスを利用した会社員北山典男さん(56)は「この路線がないと困る。道路中央線のポールや路面舗装の改良など、リスク軽減策を取ってほしい」と話した。


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2016年05月07日土曜日


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