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<熊本地震>津波避難「サイレンでは分からぬ」

 過去の津波被害の記憶が住民の避難を促す一方で、避難者らからは「安心安全の施策や危機管理を担う行政の対応は不十分だ」という不満の声も上がった。
 福岡県に接する熊本県荒尾市。4月16日の本震では震度5弱の観測史上最大の揺れを記録した。発生直後に、けたたましいサイレンが約10分間鳴り響いた。だが、アナウンスはない。放送設備がなかったからだ。
 海に近い上小路(かみしょうじ)行政区の区長を務める遠藤宏文さん(63)は「普通の人はサイレンがどんな危険を知らせているのか分からない」と指摘。「サイレンが聞こえない地域もあり、音声で伝えるシステムがいい。震災で真っ黒な津波が車や人をのみ込むのを見ている。記憶があるのに、行政は認識が甘い」と対策の充実を訴える。
 市によると、サイレンは津波避難を促す目的で沿岸部と市役所の2カ所に設置。配備した場所の周辺住民を対象に年1回、訓練を実施している。
 防災を所管する同市くらしいきいき課の担当者は「サイレンの意味は広報で知らせてきたが、分からなかったとの指摘は届いており、改めて周知を図る必要がある。検証して抜本的な対策を講じたい」と話した。
(報道部・藤本貴裕)


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2016年05月08日日曜日


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