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<この人このまち>村の魅力「大学」で伝授

[しもむかい・りな]90年野田村生まれ。久慈高卒。震災後に東京からUターン。村臨時職員を経て15年1月、NPO法人「のんのりのだ物語」を設立。

 岩手県野田村で4月、村の産業や生活の知恵を学ぶ講座「野田村大学」が始まった。運営するNPO法人「のんのりのだ物語」が村の魅力を広く伝えようと企画した。代表理事の下向理奈さん(26)は村内外の交流を促そうと奔走する。(盛岡総局・山形聡子)

◎NPO法人「のんのりのだ物語」代表理事 下向理奈さん(26)

 −「野田村大学」を始めようと思ったきっかけは。
 「東日本大震災の復興支援で全国から多くの人が訪れ、村の注目度は高まりました。一方で、村外の人と住民との間に距離感があり、交流できる場が必要だと感じました」
 「村外の方に気軽に来てもらえる場をイメージしました。村の住民には、地元の魅力や村外の人が訪れる理由に触れてもらうことで、地域の誇りの再生につながればと考えています」

 −大学は村民が「教授」を務めるそうですね。
 「第1次産業研究やまちづくりなど五つの学部があります。農家や漁師、林業者など、普段のなりわいや趣味を生かして教授役を務めてもらっています」
 「学生は全国から集まっています。一期生は34人。東京都や大阪府、岡山県の人もいます。遠隔地の人にはインターネットでのオンライン講義もあります。進級や卒業など、通常の学生生活をそれぞれのペースで送ることができます」

 −NPO法人設立までの経緯は。
 「震災後に東京からUターンし、村の臨時職員として体験旅行や民泊のコーディネートに携わりました。村を訪れたい人の要望に柔軟に対応できる組織や長期間のフォローが重要と感じて法人化しました」

 −震災の前後で村の印象は変わりましたか。
 「震災後に子どもが生まれ、子育てが落ち着いたら東京に戻るつもりでいました。育児をしながら村の仕事を始めたら、さまざまな人に接することが面白くて、すっかりはまってしまいました」
 「村を出る前は、どちらかと言えば地元が嫌いでした。戻ってみると、自然の豊かさや人のつながりの濃さが仕事を進める上でもメリットになる。今はとてもいい場所だと自慢できるくらいです」

 −大学をどういう場にしたいですか。
 「幅広い年代の人が集まれば、いろいろなものが動く。地域の潤滑油になるような人、リスクを恐れず挑戦する人を増やしたい。大学を通じて楽しいことを続けるのが、地域づくりにつながると思います」


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2016年05月09日月曜日


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