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<全町避難>相馬流れ山踊り伝統継承へ保存会

保存会の設立総会後、相馬流れ山踊りを練習する双葉町の女性たち=いわき市

 東京電力福島第1原発事故で全町避難している福島県双葉町に4月、国の重要無形民俗文化財・相馬野馬追で披露される「相馬流れ山踊り」の保存会が発足した。原発事故で踊り手が散り散りになった現状を乗り越え、伝統を継承しながら後継者を育成する。
 踊りは民謡「相馬流れ山」に合わせ、金の扇子と、馬に水を飲ませるひしゃくを手に厳かに舞う。陣がさ、陣羽織姿で、女性の踊り手が多い。
 今年の相馬野馬追(7月23〜25日)では神旗争奪戦が行われる24日、「標葉郷(しねはごう)」の双葉町と大熊町が雲雀ケ原祭場地(南相馬市)で披露する。祭場地では毎年、旧相馬藩の各郷が持ち回りで踊るため、両町の登場は原発事故前の2010年以来となる。
 事故後、双葉町では茨城県つくば市に避難する女性らが、いわき市の仮設住宅で開かれる町の新春恒例「ダルマ市」などで踊り、伝統をつないできた。双葉町から40人が参加する野馬追での晴れ舞台を機に、各地に避難した女性たちが力を合わせるため保存会を設立した。
 いわき市で開かれた設立総会には関東やいわきなどに住む約20人が出席し、会員を増やすことや野馬追までのスケジュールなどを決定。総会後、練習にも取り組んだ。
 会長に就いた中村富美子さん(75)は「伝統を原発事故で絶やすわけにはいかない。野馬追では、元気に前を向いて歩き出した姿を見せたい」と話した。


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2016年05月09日月曜日


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