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IT技術者は仙台で確保 ベンチャー進出拡大

ブイ・キューブが2月、仙台市青葉区に新設した事務所

 仙台市に全国のITベンチャー企業が事務所を構える動きが広がっている。従来はコールセンターが目立ったが、最近は技術者が必要な開発拠点を置く傾向が強い。IT関連の専門技術を学ぶ学生が多いことに企業側が注目しているためで、学生の流出防止や産業創出の効果に期待する市も環境づくりを進めている。
 札幌市のゲーム開発会社インフィニット・ループは4月、仙台市宮城野区に支社を置き、北海道外に初めて進出した。札幌の従業員130人はほぼ全員がIT技術者という開発に特化した企業。仙台では60人を採用し、地元企業と連携した独自のゲームやアプリの開発を視野に入れる。
 松井健太郎社長は「仙台はITを学べる大学や学校が多い割に雇用の受け皿となる開発系企業が少ない。人材が埋もれている」と話す。
 仙台市によると、2015年度に仙台での事務所新設を決めたITベンチャーは同社を含め6社。所在地と概要は地図の通り。うち5社が仙台をソフトウエア開発やアプリのデザイン開発の拠点と位置付ける。
 「業務拡大のため多くの技術者が必要だが、東京はもちろん、名古屋、大阪、福岡でも人材が採用し尽くされている」。2月に青葉区に事務所を構えたブイ・キューブ(東京)の亀崎洋介取締役は人材を確保しやすい仙台に期待を寄せる。
 同社はインターネットを使う会議システム開発の国内最大手だが、企業向け商品が主体で堅いイメージがあり敬遠されがちだった。仙台では社外の技術者向けに勉強会を開くなどして人材獲得につなげる考えだ。
 成長著しいITベンチャーは雇用規模の拡大ペースが速い。青葉区にカスタマーサポートセンターを置くスマホアプリ運営のメルカリ(東京)は、15年に区内で移転し事務所を拡大。16年度中に今の100人から200人規模に増員し、将来的に300人規模を視野に入れる。
 仙台に開発拠点を新設するITベンチャーは12〜14年度も年3社程度あり、増える兆しがあった。市は4月に助成制度を拡充し、さらに加速させようと本格的に後押しし始めた。
 市の担当者は「頭脳流出を食い止める好機が巡ってきた。開発中心の企業は情報の秘匿が求められる分、正社員率が高く、雇用の質もいい」と指摘。「勢いのある関連企業を集め、仙台から独自の製品やサービスを生み出せる環境をつくりたい」と意気込む。


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2016年05月10日火曜日


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