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<梨田監督E心伝心>クロスプレー判定説明を

6回楽天1死三塁、聖沢の遊ゴロで嶋が本塁を突くがタッチアウト。捕手伊藤=京セラドーム

 4月6日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で、本塁クロスプレーの微妙な判定があった。六回1死三塁、三走嶋基宏が聖沢諒の遊ゴロで本塁突入して、判定はアウトだった。相手捕手の伊藤光が返球を受ける前に、三塁と本塁を結ぶラインの走路上に左膝を入れてブロックしているように見えたので、ビデオ判定を求めた。
 結局は判定通り。説明が欲しかったブロックの有無には何の言及もなく、単に「背中にタッチしていたのでアウト」と言われた。ビデオ判定後は抗議できないということで、その後何も言えずに終わった。後日、球団としてパ・リーグに対して衝突防止ルールの厳密な適用を求める要望書を提出した。

 衝突防止ルールにはあやふやな部分もあると思う。基本的に捕手は走路の外から走者にタッチするはずだが、返球を受ける流れの中で走路に入れる。どこまでが認められる部分なのか不明確だ。ビデオ判定にしても、球場ごとにカメラ設備が違うこともあり、いろいろな角度からの映像を見て多角的に判定しているわけでないのが悩ましい。
 衝突防止ルールは2014年に米大リーグが導入した。11年にジャイアンツの捕手がアウトのタイミングで走者に体当たりされ、大けがをしたことがあったからだ。日本でも外国人選手が捕手にタックルするように接触する場合が散見され、けがの不安はあった。チームとしても捕手は扇の要で、離脱されたら大きな痛手だ。ただでさえ打者の打ち損じがマスクや手に当たるなど捕手はけがをする危険が多いため、今回のルール導入で、クロスプレーによるけがのリスクがなくなる側面はある。

 ただ、けが防止の狙いが徹底されているとは思いにくい。ルールが適用されない塁もあるからだ。
 4月13日のロッテ戦(コボスタ宮城)九回1死二、三塁、二走デスパイネが左前打で三塁に滑り込む際、ベースに向かってではなく、待ち構えた三塁手今江敏晃の体に足を向けるという危険なプレーがあった。選手のけがに関わるプレーなのだから、審判全員を集めて協議するくらいの対応はしてもらいたかったが、三塁塁審から「見ていなかった」と説明があるだけだった。翌日、伊東勤監督から「本人に厳重注意した」という言葉を受け、ある程度納得はしたが、危険なプレーに対しては本塁以外でも厳正な対応をしてもらいたい。
 冒頭のケースのみならず、ビデオ判定になるような場合、審判がもっと説明責任を果たすべきだろう。こういう理由で判定を下しました、とマイクを持ってしっかり説明しないといけない。戦っているわれわれでさえ分からない部分があるのに、ファンを置き去りにするようなことがあってはどうかと思う。

[衝突防止ルール]本塁での走者と捕手の衝突について今季から野球規則に追加された条項。走者が落球を誘うために捕手に意図的に接触したり、捕手が走者の走路をふさいでブロックしたりすることを認めない。捕手が本塁返球を受けようとして、走路をふさぐ形になった場合は違反にならない。5月6日の西武−日本ハム戦で、導入後初めて走者の本塁アウトがビデオ判定によりセーフに覆ったケースがあった。
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 東北楽天の梨田昌孝監督が、チームの時々のテーマについてつづる新コラム「E心伝心」を掲載します。


2016年05月10日火曜日


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