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<熊本地震>いわきの病院、看護師ら派遣

人工透析を受ける患者をケアする臨床工学技士の赤津さん(左)ら常磐病院のスタッフ=4月27日、熊本市の上村内科クリニック

◎人工透析支え合い「熊本の大変さ分かる」

 相次ぐ地震で被害を受けた熊本市のクリニックに、東日本大震災で被災したいわき市の病院が看護師や臨床工学技士の派遣を続け、患者らへの人工透析を支援している。両病院は熊本地震の前は見知らぬ間柄。「5年前は全国から東北を応援してもらった。あの時の恩返しを」。支え合いの輪が広がっている。
 「熊本は温泉がすごくいいですよ」「次は遊びに来ますね」
 熊本市中央区の「上村内科クリニック」。人工透析を受ける患者と、いわき市の「ときわ会常磐(じょうばん)病院」(新村浩明院長)から派遣されたスタッフが談笑していた。「地震で透析が受けられるか不安だった。遠い福島から来てくれたなんて本当にうれしい」と、患者の時松加奈さん(44)が笑顔を見せた。
 クリニックは先月14日からの地震で建物の一部が壊れたが新しい病棟は被害がなく、本震が起きた翌日の17日にはもともと通っていた91人の透析を開始。18日からは被災して透析ができなくなった別の医療施設の患者も引き受け、一時は7施設から計約140人を受け入れた。
 一方、約40人のスタッフの中には自宅が壊れ、避難所や車中で寝泊まりしている人も。クリニックの上村克哉院長(48)は「出勤できない人もいて、とにかく余裕がなかった」と振り返る。苦しい状況の中、常磐病院から突然、連絡が入り、19日から交代でスタッフの派遣が始まった。
 東日本大震災では常磐病院など、いわき市の医療施設で一時断水。原発事故の影響でガソリンや食料などの物資も届かず、他県の施設に患者を受け入れてもらった経験がある。上村内科クリニックが他病院から患者を受け入れていることをインターネット上で知った常磐病院の新村院長は「面識がなかったが窮状は予想できた。恩返しをしたいと思った」と話す。
 派遣された臨床工学技士の赤津宙さん(30)は「いわきも被災したので熊本の大変さが少しは分かる。自分にできることをやりたい」と語った。


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2016年05月11日水曜日


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