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<温暖化予測>福島でリンゴ栽培適地消滅も

 福島県は地球温暖化による県内の気候変動と農業などへの影響予測をまとめた。温暖化の進展で、降水量が会津地方で増加する一方、いわき地方では減少するなど、影響が地域で異なる可能性が示された。対策を取らなければ、2090年にはリンゴを栽培できる地域がほぼ消滅し、今は採れないミカンが育つようになるとの予測も出た。
 県の委託を受け、福島大がスーパーコンピューターを使って調査、分析した。「近未来(40年ごろ)」と「未来(90年ごろ)」の2時点の状況について、二酸化炭素(CO2)削減の取り組みの程度に応じ「最大限努力」「一定の努力」「努力せず」の3パターンで予測した。
 影響を詳細に予測するため、1キロ四方に細分化して分析。七つの生活圏ごとに水資源や農業などへの影響をまとめた。地域レベルで温暖化の影響を予測したのは、全国初の試みという。
 40年の気温はCO2削減の努力にかかわらず、全県で約2度上昇。90年は最大限努力すれば約2度に上昇を抑えられるが、努力なしでは全県で5.3度上がる。
 削減努力をしなかった場合、90年には県沿岸の砂浜が8割以上消失。会津地方では降水量の変動が大きく、洪水被害も急増する。
 農業では、県全域に広がるリンゴの生育適地が浜・中通りと会津の一部でなくなる一方、県特産のモモは適地が拡大。温州ミカンは浜・中通りと会津の一部で生育適地が出現する。
 調査に関わった福島大共生システム理工学類の川越清樹准教授(自然災害科学)は「防災や農業における温暖化の特徴を地域ごとに把握することで、県民や市町村、企業レベルでも具体的な対策や適応策を考えることができるはずだ」と話している。


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2016年05月13日金曜日


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