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<奔流乱流1強政治>疑心暗鬼 前哨戦覆う

株価ボード(左上)と熊本地震の被災地(右上)。下段は「18歳選挙権」の適用に合わせた模擬投票と、立候補予定者のコラージュ

◎参院選東北(下)同日選の影
 「首相が同日選を諦めたとは思っていない。5月末の解散の可能性はある」。民進党代表岡田克也は5日、青森県内であった党衆院議員の国政報告会で、有事への備えを促した。

<衆院選対応遅れ>
 首相安倍晋三が衆参同日選の可能性を何度も否定し、永田町に見送り論が広がるほど、「サプライズ効果」が高まるとの見方は根強い。1986年、当時の首相中曽根康弘が踏み切った「死んだふり解散」の前例がある。結果は自民党の歴史的圧勝だった。
 参院選では共闘の枠組みが固まりつつある東北の野党だが、衆院選の連携戦略は手付かずだ。陣立てすら整っていない。
 宮城の衆院6小選挙区のうち、民進の候補者が決まったのは3人にとどまる。共産、社民両党の推薦を取り付け、自民現職と激突する参院宮城選挙区(改選数1)の態勢とは対照的だ。
 旧民主党時代には小選挙区で5議席を占めた時期もあった。「衆院選で空白区をつくるわけにはいかない」(民進党県連関係者)とプライドをにじませるが、態勢構築は難航する。
 首相に虚を突かれる同日選の影が、夏決戦の前哨戦を覆う。県連幹部は「30年前の同日選は中選挙区だった。小選挙区でどう影響するのか、読み切れない」と打ち明けた。
 抜き打ち解散の不安がくすぶるのは与党も同じだ。「与党有利」という同日選の定説をいぶかる声もある。
 青森選挙区(改選数1)に立つ自民現職にとって、野党共闘を迎え撃つ頼みは県内4小選挙区を独占する党衆院議員の組織力だ。同日選になれば相乗効果が見込める半面、参院候補が埋没するとの懸念がある。
 自民県連の幹部は「求心力が高いとはいえない参院候補者が全県で有権者を取り込むには、知名度がある衆院議員に張り付いてもらうことが欠かせない」と気をもむ。
 自民党秋田県連幹事長の小松隆明は、憲法改正が争点化する現状を挙げ、「改憲に慎重な有権者が多い中、関心の高まりが与野党のどちらに有利に振れるかは分からない」と危惧する。

<「力が分散する」>
 自民と連立を組む公明党は同日選に消極的だ。東北の党関係者は「政権選択の衆院選が一緒になったら、参院選は吹き飛ぶ。(支持母体の)力も分散する」と慎重姿勢を崩さない。
 首相は、熊本地震の被災地の復旧状況をはじめ、野党に猛追された衆院北海道5区補選の評価、消費税率引き上げを巡る経済情勢などを見極めながら、同日選の可否を最終判断するとみられる。
 30年前、中曽根は東京での主要国首脳会議(サミット)の実績を引っ提げ、同日選を断行した。伊勢志摩サミットまで2週間、国会会期末まで3週間を残すのみとなった。(敬称略)


2016年05月13日金曜日


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