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雪遊びや農家民宿…田舎の日常が台湾人魅了

農家民宿体験ツアーのモニタリングで訪れた台湾人らを歓迎する中津川地区の住民ら(手前)=2011年9月

 山形県飯豊町への台湾人旅行客が着実に増加している。スノーモービル体験を盛り込んだ雪遊びと農家民宿の2大旅行商品が、日本国内の有名観光地を既に経験したリピーター観光客に受け、昨年度の来訪者は約8000人と、町の人口(約7500)を上回った。本年度はタイからの観光客受け入れも始まり、インバウンド(訪日外国人旅行客)事業の拡大が期待される。
 飯豊町がほぼ半年間も雪に覆われる立地条件を生かそうと、町観光協会が主体となって雪遊びを前面に押し出した観光客誘致に乗り出したのは2005年度。当初のターゲットは首都圏の女性だった。発案者でスノーモービルのインストラクターでもある町観光協会の広報担当二瓶裕基さん(41)は「来訪者はひと冬に十数人。全く振るわなかった」と当時を振り返る。
 08年度に偶然、台湾人旅行客を受け入れたことが転機となった。スノーモービルを活用した日帰りの雪遊びが好評で、初年度は当初予定の3倍に当たる910人の台湾人観光客が来訪。09年度は2120人に達した。東日本大震災の影響で12年度は約400人にまで減少したものの、15年度は800人まで盛り返した。
 10年度からは通年でのインバウンド誘致を進めようと、中津川地区の農家8軒を舞台にした農家民宿体験を売り込み、15年度は冬季以外で最高の221人を集めるまでになった。
 誘客のために大型投資をしたわけではない。農家民宿は地域の日常を旅行者が体験するシンプルな日程だ。
 山野草と癒やしの宿「ごえもん」の鈴木みちさん(67)は「家にやって来て、食や会話を楽しみゆっくりしてもらうだけ。飯豊の豊かな自然環境と田舎の日常に、ほっとするようだ」と話す。温かいもてなしと手作り感が、旅行慣れした台湾人の心を捉えたようだ。
 今年4月にはタイから初めての観光客約30人を受け入れた。今月下旬と8月にもツアー客の訪問が予定されている。
 昨年6月には、飯豊町観光協会が事務局となり、台湾からの客500人が置賜地方に分散宿泊するなど広域連携も始まった。
 二瓶さんは「何もない、と言われがちな田舎だが、工夫次第で海外からの集客はできる。大事なのは田舎に住んでいるわれわれ自身が、田舎暮らしを楽しんでいることだ」と強調する。


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2016年05月16日月曜日


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