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<生食カキ>宮城産5月末まで出荷延長試行

4〜5月の出荷が試行的に認められた生食用カキ。むき身の大きさが持ち味だ=気仙沼市唐桑地区

 宮城県内で3月末と定められた生食用カキの出荷期間が今季、試行的に5月末まで延長されている。生食用は加熱処理用より高値で取引されるため、一部の漁業者が要望し、県も東日本大震災からの産業復興につながるとして容認。今後十分に安全性が確認されれば、正式に期間を延長する。
 「カキは抱卵前の4〜5月が一番身が大きくてうまい。10年ほど前から要望してきたが、ようやく念願がかなった」。気仙沼市唐桑でカキを養殖する県漁協唐桑支所の畠山政則運営委員長(61)は、大ぶりなむき身を手に笑顔を見せた。
 県の指導指針は、生食用カキの出荷期間を9月29日〜翌年3月31日と規定。生食用は加熱用より2〜3割高く取引されるが、これまで4月以降は加熱用での出荷を余儀なくされてきた。
 全国2位だった県内のカキ生産量は、大震災の影響で激減。昨季は1600トンと震災前の4割にとどまった。県は県漁協などと協議して2016年度に養殖振興プランを策定し、生産量増加に向けた出荷期間の延長を盛り込んだ。
 県漁協は海域ごとに実施していたノロウイルスの自主検査を漁港ごとにするなどし、衛生管理などを強化。県食と暮らしの安全推進課は「安全性を担保できるならば漁業振興を後押ししたい」と延長を許可した。
 県は数年程度、4〜5月のノロウイルスや貝毒のデータを収集し、生食出荷の指針見直しも検討する。生産者にとっては「期間延長でノロウイルスや貝毒の影響を受ける時季を避けて出荷することができ、リスク分散が可能になる」(県水産業基盤整備課)という。
 今季は4月以降に一部海域で貝毒が発生したため、現段階での生食用出荷は唐桑支所管内に限られている。畠山さんは「春に食べるカキのおいしさが消費者に広く浸透すれば、他の漁業者も出荷に乗り出すだろう。期間延長を効果あるものにしたい」と意気込む。


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2016年05月19日木曜日


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