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<G7仙台>課税逃れ包囲網強化へ

仙台市内で開幕したG7財務相・中央銀行総裁会議=20日午後

 仙台市で20日開幕した先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、多国籍企業などの課税逃れ防止やテロの資金源をいかに断つかが重要議題となる。タックスヘイブン(租税回避地)の実態を暴いた「パナマ文書」により、不公平な税負担への批判は強まった。G7は不正行為への包囲網を強めるが、経済界からは投資や貿易が過度に規制されるとして反発する声も出ている。

 「国際社会は腐敗を暴いて罰する。そして追放する」。パナマ文書をきっかけに租税回避地への投資が明らかになった英国のキャメロン首相は、急落した支持率を挽回するため、対策強化の旗振り役を務めている。
 欧州連合(EU)は、域内で年間500億〜700億ユーロ(6兆2千億〜8兆6千億円)もの課税漏れがあると試算する。対策として、一定規模以上の多国籍企業には加盟各国への納税情報開示を義務付ける方針だ。
 2017年に始まる金融口座の情報を自動的に交換する国際的な枠組みへの参加は、100を超える国と地域に広がった。参加を拒否してきたパナマなど5カ国の加入も今月決まった。
 租税回避地にあるペーパー会社の実質的な所有者を特定し、情報を各国で共有することも検討されている。ただ、国際課税に詳しい一橋大の渡辺智之教授は「理論的に所有者をたどることができても、実際に突き止めるのは難しく、今後もいたちごっこが続くだろう」と予測する。
 G7の経済団体が参加し東京で4月に開かれた会合では、経済協力開発機構(OECD)のルールよりも厳しいEUの規制に対し「国境をまたぐ貿易・投資を阻害する」との文言が共同宣言に盛り込まれた。経団連の榊原定征会長は「機密情報の開示につながる」と懸念する。
 テロ資金対策では、国際的にビットコインなど仮想通貨の規制強化が進められてきた。欧州中央銀行(ECB)は、一般消費者にほとんど使われていない500ユーロ札の発行を18年に中止する。欧州ではプリペイドカードの利用時に身元確認を導入する方針だ。日本で普及する電子マネーの規制が議論になる可能性もあるが、消費者の利便性に影響するため、対策強化は容易ではない。
 G7の会合では21日に課税逃れ対策を議論し、テロ資金を封じ込める行動計画もまとめる。来週の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)での議論に直結するだけに、財務相らの手腕が問われる。


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2016年05月21日土曜日


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