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津波で工場流失…水産加工「鈴栄」再建

再建した工場で、ちりめんじゃこの製造機械を見つめる鈴木社長

 東日本大震災の津波で福島県浪江町の工場を失った水産加工業の鈴栄が宮城県名取市閖上地区の水産加工団地に新工場を再建し、ちりめんじゃこやつくだ煮の直売を始めた。鈴木健一社長は「徐々に軌道に乗せ、震災前の売り上げを取り戻したい」と意気込む。

 新工場は鉄骨平屋で、床面積約660平方メートル。4月11日から石巻市産や宮城県女川町産のコウナゴを原料にちりめんじゃこなどを作っている。釜ゆで後に程よく乾燥させる「中間干し」をすることで、軟らかさを実現したのが特長だ。
 市の補助を受けて整備した工場建屋には直売所を設けられない制約があり、敷地内にプレハブの直売所を設け、自社商品を販売する。「ちりめん屋が作るつくだ煮」をアピールする。
 鈴栄は震災前、浪江町に二つの工場と直売所を構え、年約4000万円を売り上げていたが、津波が工場と直売所を奪った。東京電力福島第1原発の事故が追い打ちをかけ、自宅が5、6キロしか離れていなかった鈴木社長は一時、神戸市まで避難した。
 その後、福島県内の同業他社で働くなどしたが、自ら商品を作りたいとの思いは断ち切れなかった。名取市が水産加工団地の進出業者を募集しているのを知り、工場再建を決めた。
 鈴木社長は「ゼロからのスタート。アウェーだし、すぐに客が来るとは思っていない。少しずつ前進していく」と話す。
 連絡先は鈴栄022(393)6303。


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2016年05月21日土曜日


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