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<文化審答申>東北から重文2件

明治期に建築された外国人宣教師住宅の先駆けとされる東北学院旧宣教師館
洋風建築が一般住宅に取り入れられる過程が分かる旧亀岡家住宅

 文化審議会は20日、東京・日本橋の百貨店「三越日本橋本店」や大津市にある天台宗総本山「延暦寺」の浄土院伝教大師御廟など12件50棟の建造物を重要文化財に指定するよう馳浩文部科学相に答申した。百貨店の建物の指定は同じ日本橋地区の「高島屋東京店」に続き2例目。近く答申通り告示され、建造物の重要文化財は2456件(うち国宝223件)になる。

 東北関係では、仙台市青葉区の東北学院旧宣教師館、伊達市の旧亀岡家住宅を重要文化財に新指定するよう答申した。

◎明治期国内で最古/東北学院旧宣教師館(仙台市)

 東北学院大土樋キャンパスにあり、1887年に米国人宣教師の住宅として地元の技手と大工が設計、建築した。南から東面にかけてバルコニーを設けたコロニアル様式で、1階は玄関ホールを中心に書斎や居間、2階に寝室を配置。国内最古の宣教師館とされる。
 1940年に東北学院の所有となり、研究室や集会所などとして活用。東日本大震災で一部損傷し、現在は立ち入り禁止となっている。仙台市教委によると、市内建造物の重文指定は東照宮随身門(青葉区)以来36年ぶりで、明治期以降の建造物では初めてという。

◎一般住宅にも洋風/旧亀岡家住宅(伊達市)

 旧亀岡家住宅は蚕の卵販売などを手掛け、福島県議や伊達崎(だんざき)村長を務めた亀岡正元が1904年ごろ、現在の福島県桑折町に建て、1995年に伊達市の保原総合公園内に移築された。
 イタリア製ガラスを窓に採用するなど外観は洋風、内部は和風の書院造り。洋風建築が一般住宅に取り入れられるようになった過程を知ることができる。
 表側は主に客室として利用。裏側の居間の柱や天井に宮城・丸森産のケヤキや秋田杉を使うなど良質な木材を用いており、東日本大震災での被害はほとんどなかったという。

◎文化審議会の答申内容

 【重要文化財の新指定】東北学院旧宣教師館(仙台市)▽旧亀岡家住宅(伊達市)▽旧中島家住宅・主屋など4棟(群馬県太田市)▽三越日本橋本店(東京都中央区)▽雑司ケ谷鬼子母神堂(東京都豊島区)▽旧角海家住宅・主屋など5棟(石川県輪島市)▽旧長谷川家住宅・主屋など8棟(三重県松阪市)▽延暦寺・浄土院伝教大師御廟など11棟(大津市)▽高梁川東西用水取配水施設・酒津取水樋門など3基1棟(岡山県倉敷市)▽旧苅田家住宅・主屋など10棟(岡山県津山市)▽臥龍山荘・臥龍院など3棟(愛媛県大洲市)
 【重要文化財の追加指定】奥家住宅・土蔵(広島県三次市)
 【重要伝統的建造物群保存地区の新選定】名古屋市有松(名古屋市)▽彦根市河原町芹町地区(滋賀県彦根市)


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2016年05月21日土曜日


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