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生乳指定団体制度 「廃止」消えても警戒感

 酪農家から生乳を集めて乳業メーカーに販売する指定生乳生産者団体(指定団体)制度を巡り、政府の規制改革会議は19日、「抜本的改革」を求める答申を安倍晋三首相に提出した。当初、答申に盛り込むことを検討した「制度廃止」の文言は、自民党農林族の議員らの猛反発を受けて見送られた。ただ抜本的改革の具体化の方向性は不透明で、東北の業界関係者には警戒の声が残る。

 規制改革会議は、生産者が生産数量や販売先を自らの経営判断で選択できるよう、指定団体制度の廃止を原案に盛り込んでいた。しかし、答申は「指定団体制度の是非、現行補給金の交付対象の在り方を含めた抜本的改革を検討」との表現にとどめた。改革の具体的内容は秋までにまとめるとし、結論を先送りした。
 背景には、参院選への影響を懸念する自民党農林族の意向があるとみられる。答申について議論した18日の自民党の会合後、坂本哲志畜産・酪農対策小委員長は「『廃止』の文言がなくなったのは評価したい。(抜本的改革に)制度廃止は含んでいないと解釈している」と成果を強調した。
 一方、党内には「若手生産者の中には指定団体の改善点を指摘する声はある」(小泉進次郎農林部会長)との意見もある。規制改革会議の金丸恭文農業ワーキンググループ座長は19日の記者会見で「抜本的と言っている以上、微修正(の改革)ではない」と語った。
 こうした状況に、東北唯一の指定団体、東北生乳販売農業協同組合連合会(仙台市)は警戒を緩めていない。幹部は「『廃止』の文言がなくなったのは良かったが、抜本的改革とは何なのか。われわれの何が悪いのか」と反発する。

[指定生乳生産者団体(指定団体)制度]ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)、東北生乳販売農業協同組合連合会(仙台市)など全国10の指定団体に、チーズやバターなど乳製品向けに生乳を出荷した酪農家への「補給金」を給付する制度。加工用は飲用に比べ取引価格が低いため、収入を安定させて再生産ができるよう支援する。規制改革会議は指定団体による生産数量管理が酪農家の経営規模拡大の障害となっていると指摘する。指定団体は制度の下、全国で97%の生乳を受託販売する。


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2016年05月22日日曜日


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