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「甘草」で農業再生 実証栽培開始

甘草の苗を手で植えるニーズ社員

 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県浪江町で20日、製薬の原料などに使われる「甘草(かんぞう)」の初の実証栽培が始まった。2017年3月を見込む帰還開始後の農業再生に向け、地元企業も支援する。
 中国などが原産の「ウラル甘草」を栽培。漢方薬や化粧品、甘味料などに使われる。中国が約5年前に輸出を禁止し、国内の生産拡大が課題となっている。
 実証栽培では南相馬市に避難する渡部寛さん(65)の畑約1.3アールに約600本の苗を植栽。原発事故で浪江町から福島市に移転した建設会社ニーズが栽培を担い、約1年7カ月後に根を収穫、乾燥させる。
 検査で放射性物質濃度が国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)以下であれば、苗を生産した三菱樹脂(東京)が全量買い取る。
 大規模栽培に向けて17年1月以降、ニーズや町が生産者を募って生産組合を設立する。苗の生産工場は18年10月に着工する予定。
 ニーズは原発事故後、植物工場を運営する。三瓶浩徳社長は「付加価値の高い薬草を、風評被害からの脱却と農業復興の足掛かりにしたい」と話した。


2016年05月22日日曜日


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