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<参院選宮城>「共産は破壊勢力」自民が敵意

 夏の参院選を前に、宮城の自民党が「反共キャンペーン」を強めている。共産党は昨年11月の県議選で議席が8に倍増。余勢を駆って、参院選では全国に先駆けて民進、社民両党と野党共闘を成立させた。存在感の高まりを警戒する自民党は「共産との戦いは日本を守る戦いだ」などと訴え、なりふり構わぬ神経戦を繰り広げる。
 「皇室の廃位、自衛隊の解散を目指す勢力だ」(4月下旬、仙台市内の改憲集会)「破壊勢力の野合に全力で立ち向かおう」(5月上旬、同市内の参院比例立候補予定者の集会)
 参院選関連の集会などで、自民関係者による共産攻撃は激しさを増す。「今回ほど共産を意識した選挙は初めてだ」。宮城県議会議長などを歴任した相沢光哉自民県議は対抗心をむき出しにする。
 共産は巨大与党への対抗勢力として近年、支持を広げている。宮城での比例獲得票は12年衆院選6万3608、13年参院選7万9787、14年衆院選9万7523と右肩上がりだ。
 「庶民の味方のふりをしつつ、暴力革命を否定しない体質は変わらない」と相沢氏。強烈な批判は脅威の裏返しでもある。
 共産党宮城県委員会の中島康博委員長は「誤解だらけで、時代感覚がずれている批判が多い。いまだに私たちを革命勢力と捉える有権者がどれだけいるのだろうか」と苦笑する。
 党綱領では、天皇制について「存廃は将来、情勢が熟したときに国民の総意によって解決されるべきもの」と表現。自衛隊に関しては「国民の合意での憲法9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」と主張する。
 中島氏は「いずれも究極の目標や理想」と説明し、「まずは安保法制廃止など、他の野党と一致できる政策の実現を図ることが重要」と現実路線に立つ党の現状を強調する。
 冷戦終結、ソ連崩壊から四半世紀。共産党に対する有権者のイメージについて、名古屋外国語大の高瀬淳一教授(情報政治学)は「高齢者を中心にアレルギーはあるが、若者には暮らしの不安に寄り添う首尾一貫した政党の印象が強いのではないか」と分析する。
 共産批判を強める自民の戦略を巡っては「共産を際立たせて民進党との分断を図るため、反共宣伝は各地でさらに強まるだろう」と予測する。


2016年05月23日月曜日


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