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<この人このまち>洗練の柄に新たな息吹

池田守之(いけだ・もりゆき)78年弘前市生まれ。弘前高卒。広告デザイン事務所「マス グラフィックス」(弘前市)の代表。13年4月、任意団体「津軽塗新ブランド創設プロジェクト」(同市)を設立。

◎津軽塗新ブランド創設プロジェクト代表 池田守之さん

 青森県津軽地方の伝統工芸「津軽塗」の継承・発展を目指そうと、地元・弘前市の飲食店経営者らと共にブランド設立プロジェクトに取り組む池田守之さん(38)。洗練された柄に着目し、職人とは違う立場から新たな製品を開発、商品化へ奔走する。(青森総局・横川琴実)

 −津軽塗に関心を持った理由は。
 「数年前、東京都内の食器に関するイベントで日本各地の陶器や磁器を目にした際に、津軽塗は伝統的であるだけでなく、洗練された、モダンな柄だという印象を受けました」

 −プロジェクトを立ち上げたのはなぜですか。
 「青森県内のデザイナーと参加した津軽塗に関するイベントで、若手の職人さんに出会いました。職人としての仕事だけでは十分な収入を得ることができないという厳しい状況を知り、素晴らしい文化なのに衰退してしまうのでは、と危機感を覚えました」
 「伝統工芸ということとは別に、欲しいと思ってもらえる製品を買い手の目線から作りたい、と団体を設立しました」

 −団体のメンバーは。
 「弘前市内の飲食店経営者や美容師、歯科医ら8人です。製品作りには、青森や八戸に住む20〜30代の職人6人が協力してくれています。県内の文化活動に関わる団体を支援する『むつ小川原地域・産業振興財団』の助成金や、自己資金で製作費を賄っています」

 −新しい津軽塗製品とはどんなものですか。
 「唐塗、錦塗などの4技法や変わり塗りを使い、独自にデザインした製品です。箸や手鏡といったシンプルなものだけでなく、室内用の木質タイルやネイルチップもあります」
 「これまでに無いようなものなので、高度な技術を要求したり、時には職人とぶつかり合ったりもします」

 −今後の活動について教えてください。
 「弘前市などが主催する展示会に参加して作品を紹介し、販路の準備を進めたいと考えています。津軽塗の技術を学んだ場所や師匠に関わりなく、どんな職人でも参加できるシステムを構築し、若手職人の収入安定に貢献したいと思っています」
 「売ってほしい、という声は既にありますが、商品化は3、4年後を考えています。満足してもらえると思える製品を作るため、まずは完成度を高めていきたいです」


関連ページ: 青森 社会

2016年05月23日月曜日


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