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人恐れぬクマ 東北で生息域を拡大

 秋田県鹿角市十和田大湯の山林で21、22の両日、山菜採りの男性がツキノワグマに襲われて死亡したとみられる事故が2件相次いだ。秋田県内で死者が出たのは2007年以来。クマの目撃例は今年に入って東北で増えており、岩手、山形両県で計8人がけがをした。専門家は「クマの生息域が拡大しているのに加え、人間を恐れなくなっている可能性がある」と警告する。

 2件の事故が起きた場所は直線距離で約500メートル。地元ではタケノコが採れることで知られ、この時季、県内外から人が訪れる。鹿角市は22日夜、事故現場に通じる市道を当面通行止めにした。鹿角署は23日、チラシを配るなどして入山者に注意を呼び掛けた。
 東北では今年、ツキノワグマの目撃件数が増えている。青森県は18日現在で前年同期比16件増の37件、岩手県は4月末現在で30件増の147件、宮城県は23日夕現在、38件増の118件。秋田県は22日現在で20件増の70件、山形県は同日現在、10件増の46件に上る。
 秋田県自然保護課は「昨年秋は餌となる木の実が山に多く、クマの個体数が増えたため」とみる。
 岩手県では40〜70代の男女7人が重軽傷を負い、山形県でも60代の男性1人が顔や腕などにけがをした。
 秋田県内に生息するツキノワグマは成獣の雄で体長1.2〜1.5メートル、体重は80〜130キロ。タケノコが好物だという。県自然保護課の担当者は「タケノコ採りはクマの生息域に入ることと同じ。入山者は音の出る物を身に着けるなどしてほしい」と訴える。
 クマの生息域が拡大しているとの見方もある。森林ボランティアを育成する「あきた森づくり活動サポートセンター」所長の菅原徳蔵さん(64)=秋田市=は「狩猟免許取得者の減少や中山間部の荒廃などが要因」とみる。菅原さんは「クマが人を恐れなくなっていることを頭に入れて入山してほしい」と強調する。
 ツキノワグマはヒグマに比べておとなしいとされる。だが、北秋田市の阿仁熊牧場「くまくま園」園長の小松武志さん(48)は「子連れで出合い頭だと、人を襲うことがある」と指摘。「もし出合ったら、騒いだり走って逃げたりしないよう注意してほしい」と話す。


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2016年05月24日火曜日


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