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<原発事故>地域振興券「使い勝手悪い」

 東京電力福島第1原発事故の賠償格差是正や住民の生活再建を図るため、福島県広野町と川内村がそれぞれ発行する「地域振興券」に「使い勝手が悪い」との声が出ている。原資となる県の交付金の目的から、使用場所などに制約があるからだ。両町村は県と協議しながら、住民が有効に使える方法を模索している。
 県の交付金は、旧緊急時避難準備区域(第1原発20〜30キロ圏)を抱える4市町村が対象の「早期帰還・生活再建支援交付金」で、各5億円を配分。全域が同区域の広野町は全町民約5100人に1人10万円分、川内村は区域内の約2200人に22万円分の振興券を配る。
 使用開始はともに7月。使えるのは各町村内の商店や事業所に限られる。住民や事業所の帰還促進、地域のイメージアップが交付金の趣旨だからだ。県の単年度事業のため、有効期限は広野町が来年1月末、川内村は2月末までと決めた。
 広野町が20〜22日に開いた住民説明会では「再開した商店も少なく、使い切れない。期限を延ばして」「避難先のいわき市で使えないか」「県外の避難者はもらっても使えず、不公平」などの意見が相次いだ。
 町復興企画課は「県に町民の声を伝え、使い勝手が良くなるよう協議する」と回答。県外避難者らのためにカタログ販売の可能性を探るほか、町内のスーパーにも対象商品の拡大などで協力を求める考えだ。
 川内村でも村議会で「使い切れるのか」などの指摘が出た。村住民課は「帰村に向けた自宅の修繕プランなど、使途の具体的な提案ができるよう商工会などと連携したい」と説明する。
 住民に「制約が厳しすぎる」との声があることについて、県原子力損害対策課の担当者は「税金である以上、目的に沿った使い方に制約される。交付金で振興券を発行するのは町村の判断。有効活用できるよう工夫してほしい」と話す。


2016年05月26日木曜日


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