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津波で砂浜消失…波乗り復活へ店再建

三角屋根が特徴の新店舗前に立つ杉本さん(右)と妻の利江子さん

 東日本大震災で全壊した岩手県大槌町の浪板海岸のサーフショップ「K−SURF(ケー・サーフ)」が現地で本格再建を果たした。県内屈指の波乗りスポットだった同海岸は津波で砂浜が消失し、競技環境の悪化でサーファーは激減してしまった。店長のプロサーファー杉本浩さん(48)は「自分のサーフィンの原点となった特別な場所。やっと戻ってこられた」と前を向く。
 店があった場所のそばに4月に完成した拠点施設「浪板海岸ヴィレッジ」のテナントとして入居した。用具の販売に加え、個人に合わせたサーフボードの改良など細かいサービスが売りだ。競技人口拡大のためにレッスンにも力を入れる。
 釜石市出身の杉本さんは13歳の時に浪板海岸でサーフィンを始め、のめり込んだ。高校卒業後に米国や神奈川県の湘南で修業を積み、1991年に東北で3人目のプロサーファーになった。92年に帰郷して市内で開店。2003年に練習拠点の同海岸に移転した。
 震災後、津波で砂浜が削り取られた光景を前に「自分の家がなくなったような気がした」。水道工事会社などで働いたが「他の仕事をしてもつらいし、つまらない。好きなことを仕事にできる幸せに気付いた」と振り返る。
 11年12月、釜石市内の仮設店舗で営業を再開。浪板海岸に通う中で、近くに別の波乗りスポットを見つけた。経営を支える初心者向けレッスンで安全上欠かせない砂浜があり、本格再建を決断した。
 新しい店舗には毎日、常連客が訪れて会話に花が咲く。杉本さんは「浪板海岸とショップに集う仲間に楽しいサーフィンライフを送ってもらうため、頑張りたい」と語る。


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2016年05月27日金曜日


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