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<防潮堤>高すぎるの声 新基準どこまで反映

完成間近の防潮堤。巨大なコンクリートが海と陸を隔てる=気仙沼市本吉町

 東日本大震災の津波被災地で、防潮堤の計画高から地盤の隆起分を差し引くよう建設自治体に求める国の方針について、沿岸の首長らからは26日、歓迎の声が上がった。巨大防潮堤を巡っては「高すぎる」という批判が根強い。新たな高さの基準が、防潮堤計画にどこまで反映されるかが今後の焦点となる。
 「震災直後に定められた水準点が見直されることは聞いている。これで隆起分を低くして工事できる」。気仙沼市の菅原茂市長は国の動きを評価した。
 同市は衛星利用測位システム(GPS)による観測で震災後に地盤が65センチ沈下したが、今春までに25センチ隆起した。市は防潮堤が余分に高くなるのを防ぐため、38カ所のうち10カ所で隆起分を差し引いた建設を検討してきた。
 各県が建設する防潮堤高見直しへの期待も膨らむ。
 東松島市でフリースクールなどを展開するNPO法人「創る村」は、施設前の松島湾沿いに建設される海抜4.3メートルの防潮堤計画の見直しを宮城県に求めてきた。法人役員の飴屋善太さん(28)は「松島湾を眺望できる環境を残したい。少しでも防潮堤高が下がってほしい」と話す。
 ただ、沿岸市町村が建設する防潮堤工事は今後本格化する所が多いのに対し、宮城県は全体の約7割で工事に着手している。設計や工事が進んだ段階で計画を変更すれば費用が増える可能性もある。国との調整も必要となり、「県がどれほど高さを変更するかは不透明」(沿岸自治体の担当者)という声もある。
 県が5.1メートルの防潮堤建設を始めた気仙沼市内湾地区の菅原昭彦復興まちづくり協議会長は「防潮堤高を10センチでも20センチでも下げたいというのが現地の思い。県は来年2月の水準点改定を見越してすぐに高さを見直してほしい」と訴える。


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2016年05月27日金曜日


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