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<防潮堤>高さ一斉見直し 隆起分差し引き

 東日本大震災の沿岸被災地で計画されている防潮堤の高さについて、国が近く、震災に伴う地盤の隆起分を差し引いて建設するよう沿岸自治体に求めることが26日分かった。国土地理院が7月にも沿岸部の再測量に着手。結果を踏まえ、各自治体は防潮堤の高さを一斉に見直すとみられる。内陸側から見える堤高は、現在の計画より数十センチ低くなる可能性がある。
 震災に伴う地盤沈下などの変動を受け、国土地理院は2011年10月〜12年12月、公共事業の実施時に高さの基準として使われる水準点を改訂。5年が経過し、最大1メートル以上あった沿岸被災地の沈下幅は、徐々に戻りつつある。
 衛星利用測位システム(GPS)の観測によると、多くの地点で隆起が続く状況が確認されている。国土地理院は7〜11月に青森、岩手、宮城、福島4県の太平洋沿岸各地で再測量を行い、17年2月末にも新しい水準点の高さを公表する。
 国土交通省や農林水産省は、防潮堤を建設する各県や市町村に対し、新しい水準点に基づき防潮堤の高さを見直すよう求める方針。隆起分を反映させた形で計画高の修正を図り、コスト削減や、陸地側からの景観に対する配慮を促す。
 着工済みの防潮堤に関しては、工期変更に伴う費用の増減、周辺の復興関連事業への影響などを踏まえ、見直しの可否判断を求める見通しだ。
 震災後、建設が計画されている防潮堤の建設距離は岩手69.4キロ、宮城243.9キロ、福島67.3キロ。完成したのは岩手25.2キロ(完成率36%、3月末現在)、宮城50.0キロ(21%、2月末)、福島6.2キロ(9%、1月末)。

[防潮堤の高さ]東日本大震災の被災地で、数十年〜百数十年に1度発生が予想される高さ(L1)の津波を防御するため、2011年に設定された。地形や過去の津波を踏まえた計画高は海抜2.6〜15.5メートル。数百年に1度の震災級津波は防御できない。


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2016年05月27日金曜日


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