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下水処理水で飼料米 山形大が試験田

飼料用米が植えられた鶴岡浄化センター敷地内の試験水田。右端が渡部教授

 山形大農学部の渡部徹教授(水環境工学)の研究グループが、植物の成長に欠かせないカリウムや窒素を多く含む下水処理水で、飼料用米を栽培する研究を進めている。下水を代替肥料として有効利用し、飼料用米生産のコスト削減につなげる。本年度は、鶴岡市の鶴岡浄化センター敷地内に水田を作り、屋外での実証試験を始めた。
 実証試験では、浄化センターから有機物などを除去した下水を1日10トンほど引き入れ、飼料用米「べこあおば」を栽培する。収穫は9月下旬の予定。
 使用するのは水田2枚(計150平方メートル)で、下水導入方法をそれぞれ変えて効率的な栽培方法も探る。水質、生育状況は定期的に測定する。
 これまでの屋内実験で、下水処理水を用いたコメはタンパク質が多く、主食用としては味が落ちるものの、飼料用としては栄養が豊富になることが分かった。収量は、窒素とカリの肥料なしでも10アール当たり最大900キロと十分という。
 試験水田の開所式は24日にあり、渡部教授は「汚いイメージはあるが、浄化処理で安全性は申し分ない。雨でどれほど水質が薄まるかなどを検証し、化学肥料の利用をできる限り抑えつつ栄養価の高いコメの栽培方法として普及を図りたい」と意気込みを語った。
 鶴岡浄化センターでは1日約2万トンの下水を処理している。全量を用いれば、計算上は約100ヘクタールの水田で栽培が可能となる。
 取り組みは、下水の有効活用につながる技術開発として2014年度から国土交通省の委託研究として実施している。小川文章・国交省流域下水道計画調整官は「下水汚泥を用いた肥料はあったが、処理水を用いる手法はなかった。全国に普及できる結果が得られるよう期待したい」と話した。


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2016年05月28日土曜日


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