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クマの事故や遭難 ネマガリダケ高騰が背景?

笹やぶの中に生える緑が鮮やかなネマガリダケ(秋田県グリーンツーリズム推進協議会提供)

 秋田県内で、クマに襲われて死亡したとみられる事故が相次いで2件起き、遭難事故も急増するなど、山菜採りによる山での事故が後を絶たない。いずれもネマガリダケを目当てに入山したとみられ、ネマガリダケの生産額の減少が背景にあるとの見方が出ている。品薄状態で店頭での販売価格が上昇、自ら採ろうと山に向かう人が多いと指摘されている。
 ネマガリダケは6月にかけてが旬。焼いて食べるほか、みそ汁の具としても人気がある。
 県内では鹿角市十和田大湯の山林で5月21、22日、男性2人がツキノワグマに襲われたとみられる状態で死亡。25日に入山した十和田市の男性が行方不明になっている。26日には女性4人が遭難し、県警に救助された。一帯は地元で、ネマガリダケが採れる場所として知られる。
 県警によると、ネマガリダケ採りによる今年の遭難事故は26日現在、11件、14人。昨年同時期の2件、2人から大幅に増えている。
 ネマガリダケは笹やぶに生えており、高齢者が採るのは体力的に厳しいと言われる。危険を冒してまで、採る人が多いのはなぜか。
 山菜事情に詳しい大館市田代総合支所所長の山田道雄さん(59)は、販売目的で入山する人の高齢化による生産額の減少と、それに伴う市場価格の上昇を理由に挙げる。
 県などによると、県内の生産額は2004年の約9億円から、14年には約1億4000万円にまで減少。それに伴い市場価格は上がっている。10年前は1キロ当たり約500円だったのが、現在は約1000円だ。
 山田さんは「市場に出回る量が減り、需要に供給が追い付いていない」と指摘。店で買うのを高いと感じる人が入山して遭難する例が増えているとみる。
 ネマガリダケはツキノワグマも好物で、採りに行くのはクマの生息域に入ることになる。
 ネマガリダケを採って50年という小坂町の川口光一さん(65)は「沢の近くでは、クマが水を飲みに来るので特に注意する。クマ除け用のサイレンを鳴らし、音が聞こえる半径約500メートルの範囲で採るのがいい」と助言する。


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2016年05月30日月曜日


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