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<高配当疑惑>預金感覚で出資 覚醒剤と同じ

出資した際に渡された預かり証(左)と、被害者が作った配当の記録。毎月60万円以上の配当があったという(写真は一部加工しています)

 高配当をうたい多額の現金を集めていた自称共済団体「しあわせ共済リンクル」(東京)の配当が突然ストップした問題で、複数の被害者が河北新報社の取材に応じた。「半信半疑だったが、配当が出たので信用してしまった」。共済リンクルが約束した月利2%は市中金利の100倍以上。高額の配当が振り込まれるうちに警戒心が解け、出資額を引き上げていった様子が証言で明らかになった。
 「商店街の福利厚生で、お金を出した分だけ配当がもらえるんですよ」
 福島県相馬市の40代女性は約15年前のやりとりを鮮明に覚えている。訪ねてきたのは6日に自殺していたことが判明した共済リンクルの男性事務局長(60)だった。
 仲介者は南相馬市の友人の女性。以前勤めていた会社の上司に勧められ、既に毎月の配当を得ていた。
 事務局長は、高配当が可能となる仕組みについて「出資者から集めた多額の現金を銀行に預けると、実入りの良い仕事を回してもらえる」と説明していた。
 理解できない点もあったが、実際に友人は配当を得ていた。女性は「元本だけは保証して」と念を押し、試しに50万円だけ預けた。翌月、金利2%分の1万円の配当があった。
 「本当だ」。信じ込んだ女性は、満期保険金や自己資金をつぎ込んだ。100万、200万…。「利息の良い預金」という感覚に陥り、家族にも勧めた。
 友人と共にその後も出資を重ねた。最終的に女性は約2800万円、友人は約3200万円を出資。2人は毎月60万円前後の配当を得ていたという。
 順風満帆の日々は今月7日、突然終わりを告げた。
 「事務局長が死んだ」。訃報を受け、江東区の事務局に電話したが、全く連絡が取れなかった。出資のたびに渡された数十枚の「預かり証」は紙切れになる可能性が極めて高い。
 友人は「何か裏があると思いつつ、配当だけで暮らせる魅力は大きかった。紹介した人に申し訳ない」と後悔する。
 女性は配当がもたらした「快楽」をこう例えた。
 「覚醒剤と同じ。一度手を出すとやめられず、出資を繰り返してしまった」


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2016年05月31日火曜日


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